「若い時は女性と演じるのが恥ずかしくて、ロボットのようになっていましたね」と話す声優の関智一=東京都内
「新世紀エヴァンゲリオン」「のだめカンタービレ」など人気アニメに出演してきた声優の関智一。CS旅チャンネルの番組「けーぶるにっぽん 仕事人列伝」(全12回)で、声優の仕事を紹介する第3回(22日午後0時半)に登場、「絵を描いた人やキャラクターと一緒に、人物像を完成させる楽しさがある」と仕事の魅力を語る。
今回のシリーズは、日本ケーブルテレビ連盟と全国13のケーブルテレビ局が共同制作。地域密着の仕事がテーマで、第3回は東京ケーブルネットワークが制作した。
狭き門の声優の仕事だが「なれないとは思ってなかった」。高校生で養成所に入り、年上の人たちと一晩中語り合う日々が続いた。「ほとんど毎日朝帰り。高校では寝てるだけでした」
今では人気声優の仲間入りをしたが、若いころは「泥くささや人間っぽさがなく、人の心を打たない」と言われ悩んだという。「あんたと芝居をやっても面白くない」と劇団の女優から言われ、電話で大げんか。涙と鼻水で顔をグチャグチャにしながら、「そうか、この気持ちのまま芝居をやればいい」と気付いて成功。周りからも認められるようになった。
「のだめ」で主人公の恋人・千秋真一、「ドラえもん」(テレビ朝日)のスネ夫など幅広い役に挑戦してきた。演じ分けに苦労しているのかと思いきや「現場に行って絵を見ると、自然にキャラクターの気分になる」。一つの役にじっくり取り組める舞台で鍛えた演技力が、役立っている。
演じる役をより好みしないのが信条。「より良い物を作ろうとするポジティブな活気があり、忌憚なく意見を言い合える現場に参加したい」