旧本能寺跡で発掘された「能」の異体字が記された丸瓦(京都市文化財保護課提供)
京都市中京区池須町の旧本能寺跡で、明智光秀が織田信長を自害に追い込んだ1582(天正10)年の本能寺の変で焼けたとみられる大量の瓦や堀の跡が7日までに発掘された。
指導にあたった京都市文化財保護課の梶川敏夫課長補佐(考古学)は「旧本能寺の明確な遺構が見つかったのは初めてで貴重な成果」と話している。
マンション建設に伴い、関西文化財調査会(京都市、吉川義彦代表)が7月下旬から8月上旬にかけ、旧本能寺跡を約130平方メートル発掘した。
文化財保護課によると、瓦は堀(幅約6メートル)跡の底にたまったヘドロの上で見つかった。瓦の中には「ヒ(火)を避ける」意味で現在も本能寺で使われている「能」の異体字を記した丸瓦が見つかり、旧本能寺の瓦であることが確認されたという。