[花会式・薬師寺]

花会式は(はなえしき)は正式には薬師寺の修二会のことで、他の寺院でも2月(旧暦)に行われる悔過(けか)の法要のこと。東大寺、新薬師寺、長谷寺などの修二会もよく知られています。東大寺ではお香水を汲み上げられる行事から「お水取り」と云われるように、薬師寺では十種の造花を本尊薬師如来に供えられることから「花会式」と称され、奈良に春を告げる行事として親しまれています。
薬師寺の修二会は、薬師如来のご宝前にすべての罪過を悔い改め、心身ともに清浄の境地を得たのち、国家繁栄、万民豊楽、天下太平、五穀豊穣、仏法興隆などを祈願する法要。

詳しくは薬師寺の公式サイトをご参照ください。
http://www.nara-yakushiji.com/guide/index.html


今回、記録をさせていただこうと、特別に許可を得て撮影させていただきました。通常撮影不可のものもあります。また当ホームページへの登載にも許可を得ております。写真の他への流用は厳にお断りいたします。
なお撮影にあたっては許可のないところ(ほとんど)特に堂内の撮影にはストロボ、三脚の使用はいたしておりません。


[荘厳1_花会式_薬師寺]
十種の造花で飾られた荘厳。およそ900年の昔、時の堀河天皇が皇后のご病気平癒を薬師如来に祈願されたところ、霊験を得て本復されました。そこで皇后は、感謝の心を十種の造花(梅、桃、桜、山吹、椿、牡丹、藤、百合、杜若、菊)に込めて年ごとの薬師寺修二会に供えられました。(薬師寺のパンフの記述より引用)
(2009.3.30)(奈良市)


[荘厳2_花会式_薬師寺]
会式の間はご本尊のお膝に薬壺が置かれます。
(2009.3.30)(奈良市)


[授戒_花会式_薬師寺]
行に入るにあたり、行中の戒めを誓う「授戒」が行われます。ローソクの明かりだけの厳かな雰囲気の中、大導師の安田暎胤管主が「不殺生」など五つの戒めを読み上げ、「保つや否や」と問い、練行衆は「よく保つ」と誓いをたてられる。
(2009.3.30)(奈良市)


[上堂1_花会式_薬師寺]
初夜、半夜、後夜(夜の行)、晨朝(深夜早朝の行)への入堂は宿坊の地蔵院から童子の案内で金堂の裏正面から入堂されます。
(2009.4.2)(奈良市)


[上堂2_花会式_薬師寺]
(2009.4.4)(奈良市)


[登礼盤1_花会式_薬師寺]
(2009.3.28)(奈良市)


[登礼盤2_花会式_薬師寺]
花会式では南都声明が繰り返し唱えられます。練行衆の中の時導師が登礼盤で声明の頭をとり練行衆、参拝者らが二部合唱のような形でそれに続きます。大変特徴的で参拝者もともに法要している実感があります。
(2009.4.3)(奈良市)


[声明_花会式_薬師寺]
薬師悔過のお経は朗々とした節回しであるかと思えば、ある部分では非常に大きな声を張り上げ、絶叫とも言って良いほどの声で読経することもあります。非常に変化に富んだお経であると言えます。堂内で参詣する大衆を全くもって圧倒し、南都声明(なんとしょうみょう)の醍醐味を味わいながら花に囲まれた荘厳な世界を現出してくれます。(薬師寺ホームページの記述より引用)
(2009.4.3)(奈良市)


[呪師(しゅし)払い_花会式_薬師寺]
堂内には法螺貝、鐘、太鼓などが鳴り響くなか、呪師[しゅし]が内陣を真剣を持って堂内を疾走します。つまり呪師は真剣で天地の邪悪なものを切り裂き内陣の結界を作り清めるという作法です。夜間の行では、堂内の灯りが落ちて灯明だけのほの暗い中で、呪師作法が行われますので、非常に幻想的な雰囲気を感じることでしょう。(薬師寺ホームページの記述より引用)
(2009.3.31)(奈良市)


[法螺貝_花会式_薬師寺]
呪師作法などの場面では堂内は鉦、太鼓、法螺貝、錫杖の音など音が響き渡ります。
(2009.3.31)(奈良市)


[牛玉加持_花会式_薬師寺]
(2009.3.31)(奈良市)


[散華_花会式_薬師寺]
(2009.4.1)(奈良市)


[お香水_花会式_薬師寺]
夜の行の間にご本尊に供えられたお香水を参拝者全員に授けられます。
(2009.4.4)(奈良市)


[お香水2_花会式_薬師寺]
(2009.4.4)(奈良市)


[お身拭い_花会式_薬師寺]
花会式を前に、僧侶、奉仕者により、ご本尊薬師如来坐像、日光菩薩立像、月光菩薩立像のお身拭いが行われます。読経の中、お供えの餅をついた際のお湯で仏様を丁重に拭き清められます。
(2009.3.28)(奈良市)


[社参_花会式_薬師寺]
行に入るのに先立ち、鎮守社の休ヶ岡八幡宮に練行衆10人が無事成就の祈願の参拝をされます。(2009.3.30)(奈良市)


[日中上堂_花会式_薬師寺]
日中(昼の行)の上堂ではその日の奉納行事の関係者らとともに進み、正面の舞台から上堂されます。
(2009.4.3)(奈良市)


[舞楽奉納1_花会式_薬師寺]
期間中、各種の芸能団体などの奉納が行われます。
(2009.4.2)(奈良市)


[舞楽奉納2_花会式_薬師寺]
(2009.4.2)(奈良市)


[献茶_花会式_薬師寺]
花会式の期間、献茶が行われ、一般参拝者にも接待されますが、日中の行を終えた練行衆もこの日は献茶を受けられます。
(2009.4.3)(奈良市)


[鬼追い式_花会式_薬師寺]
結願を迎える4月5日の初夜法要のあと、金堂の前で『鬼追式』が行われます。この鬼追式ですが、薬師如来のお力を受けた毘沙門天が暴れまわる5匹の鬼を鎮めるという行事です。
節分(毎年2月3日)には豆を撒いて鬼を追う行事が現在の各家庭で行われていますが、この鬼追式が今の節分の行事の一つに因んだものになっています。この鬼の暴れぶりは花会式の行事を大いに盛り上げてくれます。(薬師寺のホームページの記述より引用)
これは2008年の鬼追い式です。(2008.4.5)(奈良市)


[_花会式_薬師寺]
これは2006年の鬼追い式です。(2006.4.5)(奈良市)


[神供_花会式_薬師寺]
結願の日の初夜の行の前に神々勧請してお供えを行うもので、練行衆が読経の後、持っている松明を放り上げます。
(2009.4.5)(奈良市)


[満行下堂_花会式_薬師寺]
すべての行を終え宿坊に戻られる練行衆たち。その後ろ姿に達成感と、安堵の様子が伺えます。
(2009.4.5)(奈良市)


[双塔夕景_薬師寺]
花会式の日に
(2009.4.1)(奈良市)


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