カエデの種子の製作

目的

カエデの種子の模型を製作し、その構造が安定した高速回転によりゆっくりとした落下になり、遠くへの散布にどのように寄与しているか研究する。


材料

  • 型紙(右記より型紙pdfをダウンロードできます)
  • スチレンシート(8cm×5cm×0.5mm)
  • おもり(丸いゴムシートや厚紙)
  • 両面テープ
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    作り方

    図のように、スチレンシートを羽根の部分と背骨の部分になるように切り取る。

    松やカエデのように2、3cmの小さなものから、マホガニーのような6、7cmほどあるもの等
    大きさを変えることもできる。

    両面テープで羽根と背骨を貼り合わせる。

    円形のおもりを貼る。

    飛ばし方

    おもりの反対側の羽根の一端を持ち、高くほうり上げる。

    うまく回転するように、おもりの重さや位置を調節する。
    羽根の形や大きさを変更するのも良い。
    安定した回転とゆっくりとした落下をめざそう。

    参考

    カエデ型の種子は偏心構造をとり、重心が一方の端に偏っている。
    また、丈夫な背骨構造が軽い羽根を支えており、筋状の凹凸もある。
    これらの効果で落下時に渦を生じ、有効な回転を生んでいる。
    回転することで、羽根の有効面積を10倍に増やし、落下時間を増やして風に乗り、遠くへ散布される。
    アメリカの学者は、カエデの種子に発生するこの揚力の原因について研究し、カエデの種子の回転は、前縁の上方に小さな空気の渦流 (LEV:翼端渦) を発生させ、その渦流によって、翼上方の空気圧が下がり、翼果を吸い上げる効果が生じていることを見つけた。

    回転しない種子と比較すると、楓の種子が作る渦は、揚力を2倍にする。
    この構造を模した1枚羽根の送風機が実用化されている。
    リンク先の図は、Sycamore Technologyのシーリングファン。
    ゆっくりとした回転速度にも関わらず、従来のファンと同様に空気を循環し、消費エネルギーを削減し、回転時のファンの音も最小に抑えることに成功した。(http://www.nature-sugoi.net/db/db_194.php)