建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2012年9月号〉

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東京体育館の全面改修に着手

── 築後22年経過で機能改善

東京体育館改修工事


 築22年を経過した東京体育館は、設備機器の更新時期を迎えていることから、維持保全と安全確保、利用者の利便性向上のための設備更新と機能改善に向けて改修工事が行われている。
 東京体育館は、昭和18年に東京府が国民の錬成道場として土地・建物を買収し、その後、都民生局が「葵館」と命名した。戦後は駐留軍の将校宿舎・将校クラブとして使用された後、東京都収用委員会庁舎として使用されていた。昭和27年末に体育館建設のため木造建築物を除去し、鉄筋コンクリート造りによる洋館2棟は移動され、翌年10月に東京体育館建設工事に着手。昭和31年8月に竣工し、後に数々の伝説を生み出した39年の東京五輪会場となった。
 そして昭和60年に全面改築工事に着手し、平成2年に現在の近代的外観を誇る姿でリニューアルされ、今日に至っている。
 大規模な国際大会にも対応できる国内でも中枢的なスポーツ施設と位置づけられ、メインアリーナは1万人の収容力を誇る。これまで卓球、レスリング、バレーボール、フィギュアスケートなどの世界選手権大会をはじめ、数多くの国際大会や全国大会が開催されてきた。
 一方、一般利用者にも解放されており、プール、トレーニングルーム、陸上競技場などを日常的に利用されている。
 しかし、プールのダクトは設置後20年が経過し、経年劣化により錆びが生じ、機械室の空調設備、床下の蓄熱槽などもかなり老朽化が進んでいた。このため、機能改善に向けて、全面改修に取りかかることになった。工事期間はこの4月から平成25年1月までで、4月からプール棟工事に着手し、7月からはメインアリーナ、サブアリーナを含めた全面施工に入っている。


工事状況

▲メインアリーナ床の一部撤去

▲メインアリーナ面足場組立

▲機械室の空調設備改修

▲プール棟の工事状況



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