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親しみの仏教美術のひとつ、朝鮮は統一新羅時代の金銅仏をご紹介したいと思います。
新羅はとても唐の影響が強い国で知られています。歴史の時間でも白村江の戦いで我が国と百済の軍勢が唐、新羅の連合軍に敗れ去った史実を習ったことを覚えておいでの方も多いと思います。唐は篤く仏教を信仰したので、彼の地では華麗な仏教美術が花開いたわけですが、当然、近しい国である新羅ではその影響を受けて、数々の信仰遺品が残っています。そのなかで個人の篤志家にもたらされたのか、実に多くの金銅仏が製作されました。
陵墓からの発掘も多いものですが、この像は厨子などに収められて、長く礼拝対象になっていたようですね、しっとりと黒く落ち着いた肌合いになっています。左手で説法印を結んでいますね、唐の影響そのままに衣文が翻波式に表現されています。これは我が国の平安期の木彫などにもよく見られる表現、通肩と呼ばれる衣を両肩に掛けて着る様式、そして眉根にタガネを入れることなどから統一新羅時代との判定ができます。
小さいながらもお顔は瞑想するような静かで優しい表情されています。金銅仏は高価なものも多いですが、机上で愉しまれるにはこの小さなものがちょうどいいものと思います。まさに親しみの仏教美術、小さくとも往時のエッセンスがたくさん詰まっています。どうぞお見逃しなく。
高さ10.3センチ 台座込み 統一新羅時代 8世紀頃
合わせの桐箱に収められています。
御売約ありがとうございます。
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