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樹木シリーズ⑧ ハクモクレン、モクレン

INDEX ハクモクレン、モクレン
  • 大輪で豊満な白い花・ハクモクレン(白木蓮、モクレン科)

     コブシが咲く頃、公園や庭などでボリュームのある大きな白花を咲かせる。花は、レモンやライムのような芳香を放つ。花が終わる頃に葉が出る。中国原産の高木で、公園樹や庭木として植えられる。よく似た紫色の花は、モクレン。日本産のコブシと似ているが、花弁の幅が広く大輪で、枝ぶりもハクモクレンの方が太い。。
  • 名前の由来・・・花の形が蓮の花に似ている木であることから、「木蓮」と書く。花の色が白いので「白木蓮」と書く。 
  • 花期・・・3~4月、高さ15m 
  • 春、桜が咲く前に芳香のある大輪の白い花を咲かせる。花弁は6個、ガク片は3個。花弁やガク片が同じ色や形をしていて区別しにくいものは「花被」と呼び、合わせて花被は9個という。 
  • 方向指標植物(コンパス・プラント)・・・早春のツボミを見ると、尖った先が一方向になびいているように見える。これは、ツボミが大きくなる過程で、良く光が当たる南側が特に生長して膨らむことから、先端は一様に北を向く。このため、北の方向を示す目印になる。同様に、モクレンやコブシ、タムシバも、早春のツボミはほとんどが北を向く。だから、早春の山では、コブシやタムシバの花は磁石代わりになる木として知られている。 
  • ・・・花だけでなく葉も大きく、きれいな弧を描き丸みのある倒卵形。縁は波打たず滑らかで、葉先が小さく突き出る。 
  • 樹皮・・・灰白色でなめらか。 
  • 果実・・・長さ約10cmのデコボコした長楕円形の果実が上向きにつくのが特徴。
  • 10月に赤く熟し、裂開して種子を出す。 
  • 花芽は、早くも前年の夏には準備が始まる。 
  • 花芽・冬芽・・・花芽は大きく、やや寝た長い毛が密生する。葉芽は小さく有毛。 
  • 俳句(写真:桜とハクモクレン、花の競演)
    白木蓮に純白という翳りあり 能村登四郎
    白木蓮そこから先が夜の服 小野裕三 
モクレン
  • 赤紫の花が上向きに開くモクレン(木蓮、モクレン科)

     ハクモクレンに似ているが、花の色が赤紫色。葉の出る前に枝先に花を上向きに半開する。ハクモクレン、コブシより少し遅れて咲き、かすかに芳香がある。木は株立状。モクレンも方向指標植物(コンパス・プラント)。中国原産の落葉低木で、庭木や公園樹として植えられる。花が咲いてから散るまで3~4日と短いのが特徴。 
  • 名前の由来・・・蓮の花に形が似ている木であることから「木蓮」と書く。花の色が紫色なので、別名「紫木蓮(シモクレン)」という。 
  • 花期・・・4~5月、高さ3~5m 
  • 花言葉 自然への愛、崇高、持続性 
参 考 文 献 
「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
「樹木 見分けのポイント図鑑」(講談社)   
「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)