泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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女性性器の大陰唇に生じた硬性下疳

20代の女性が梅毒に罹患し性器の左側大陰唇に硬性下疳が生じ、
さらにその下方に多数の尖圭コンジローマを認めた症例を経験したので報告いたします。
 
この女性は性風俗従事者(CSW)です。
 
写真①を参考にしてください。
 
視診にて左側大陰唇はかなり腫脹し、その小陰唇側に
直径約15mm大の硬性下疳が生じ、その周辺は隆起し骨様に硬い。
 
下疳の潰瘍、ビランはすでに治癒過程に入っていました。
 
さらにその下方の会陰部、肛門近くの大腿部に多数の尖圭コンジローマを認めました。
 
①大陰唇の硬性下疳・尖圭コンジローマ

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視診にて左側大陰唇はかなり腫脹し、その小陰唇側に
直径約15mm大の硬性下疳が生じ、その周辺は隆起し骨様に硬くなっていました。
 
また、下疳の潰瘍、ビランはすでに治癒過程に入っていました。
 
さらにその下方の会陰部、肛門近くの大腿部に多数の尖圭コンジローマを認めました。
 
②大陰唇の硬性下疳・尖圭コンジローマ

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初診時検査成績:
梅毒血清反応:RPR法 100.0,  TP法1055.0
HIV抗原・抗体検査:(-)
生殖器:クラミジアPCR法:(+)
臨床診断:1.第1期の顕症梅毒
  2.尖圭コンジローマ
  3.クラミジア感染症
 
 
第1期の顕症梅毒として早速、駆梅療法を開始しました。
 
アモキシリン製剤(サワシリン)1日1.5g(250mg×6T)を投与しました。
 
日本性感染症学会の診断・治療ガイドラインに則って
投与目標は4~8週間としました。
 
③Jarisch-Herxheimer反応

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ところが、駆梅療法開始後、数時間で
Jarisch-Herxheimer(ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー)反応を認めました。

症状は発熱(38.5℃)・関節痛でした。
 
対症療法としてロキソニン服薬の指示をしました。
 
写真③を参考にしてください。
 
ロキソニン服薬後、軽快しました。
 
④Jarisch-Herxheimer反応

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n駆梅療法を開始するとこのヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応が生じる場合があります。
 
n梅毒第1期、第2期の約20~30%に生じることがあります。
 
n治療を始めてこの現象が起きると、患者さんは激しく、驚いてしまうことがあります。
 
n医師から患者さんへの説明は非常に大切です。
 
n臨床医としては注意すべきことです。
 
さてこの患者さんは尖圭コンジローマを併発し、クラミジア感染症にも罹患しています。
 
まさに一つの性感染症を見たら必ず、他の性感染症も検討しなければならないという
 
我々、臨床医に対する戒めでもあります。
 
これらのSTIの治療については次回に検討することにいたしました。
 
⑤参考症例:女性 クリトリス包皮に生じた硬性下疳

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ここで女性の硬性下疳は臨床的に比較的稀でしたが、最近女性の梅毒患者が増加する中でやはり硬性下疳を伴う症例の増加は考えられます。
 
初期硬結、硬性下疳について勉強したいと思います。
 
梅毒はスピロヘータ科の梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum:T.p.)によって発症する感染症で、主として性行為または類似の行為による性感染症の代表的疾患です。
 
⑥参考症例:男性 冠状溝に生じた初期硬結

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顕症梅毒第1期においては、感染後、約3週間経過すると、T.p.の侵入部位である皮膚や粘膜などに、単発の小豆大~示指頭大の丘疹が生じ、硬度は軟骨様である。これを初期硬結と呼びます。
 
初期硬結はそのまま数週で吸収されることもあるが、多くの場合、周囲の浸潤が強くなり、徐々に周囲が盛り上がり、中心に潰瘍を形成して硬性下疳となります。
 
潰瘍底は皿状を呈し細胞浸潤があり硬度は軟骨様に硬くなります。
 
最初から硬性下疳として発症する症例もあります。
 
初期硬結や硬性下疳は、一般に疼痛などの自覚症状は無く、単発であることが多いとされています。

しかし、最近は多発することも稀ではなく、これはオーラル・セックスによる影響と考えられます。
 
初期硬結や硬性下疳の出現後、やや遅れて両側鼠径部などの所属リンパ節が、
周囲に癒着することなく無痛性に硬く腫脹してきます。大きさは示指頭大で、多くの方は数個認められます。
 
これらは無痛性横痃と呼ばれ、無治療でも自然消滅します。
 
⑦参考症例:男性 冠状溝に発症した硬性下疳

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好発部位は男性では冠状溝、包皮、亀頭部、女性では大小陰唇、子宮頸部ですが、
女性の場合、気づかないことが多いいようです。
 
さらに口唇部、口腔内、乳暈や手指など陰部外に生じることもあり、
陰部外初期硬結あるいは陰部外下疳と呼ばれていますが、発生頻度は2~3%以下と低いようです。
 
初期硬結や硬性下疳は、徐々に吸収され、数週間から1カ月の内に消失してしまいますが、瘢痕は数カ月残ります。
 
またこのような感染後4週間までの第1期において、梅毒血清反応は陽性を示さない(血清学的陰性期)ことがあるので注意を要します。
 
もし、血清学的陰性期に無治療のまま放置しておきますと、梅毒血清反応は陽性化することになります。
 
またこの血清学的陰性期に駆梅療法をスタートできれば陽性化せずに治療を終えることが可能です。
 
患者さんは初期硬結の状態で受診してくることは稀で、多くは硬性下疳の状態で受診してきます。
 
⑧参考症例:尿道内に発症した硬性下疳

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最近はオーラルセックスにより硬性下疳が、男性では尿道内に、女性ではクリトリス周辺に発症する場合があるので丁寧な視診が必要となります。
 
⑨水芭蕉 刺巻湿原で撮った写真です。

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水芭蕉の群生地:刺巻湿原
 
⑩水芭蕉:『刺巻湿原』(水芭蕉の群生地)

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清楚という言葉がピッタリ!
 
純白の花と緑の葉のコントラストが美しい!
 
実は白い花弁と思われているのは「蕚」で、
真ん中の黄色い芯のように見えるのが花です!

2017年05月04日 | トラックバック (0)

コンジローマについて (男性)

30代の男性から尖圭コンジローマについて 相談がありましたので報告いたします。

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【相談内容】

数週間前に尖圭コンジローマを切除しました。
 
医師からは「もうセックスをしても大丈夫」と言われました。
 
しかし、ネットを見ると「3ヶ月再発しなければ完治」と書いてあります。
 
ということは手術から3ヶ月はセックスを控えた方が良いのでしょうか。
 
それとも医師の言うとおり、症状がなければセックスをしてもいいのでしょうか。
 
再発しやすいので「絶対感染しない」とは言い切れないのかもしれませんが、
 
常識的な見解を教えてください。
 
【回答】30代の男性

尖圭コンジローマでお悩みですね!

尖圭コンジローマどんな治療を行っても、

3カ月以内の再発率は15~30%はあると考えてください。

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3カ月以内に再発しなければ、とりあえず治癒というこになりますが、

6カ月~1年以上経過してから再発する場合もあります。

性行動は慎んだ方がよいのですが、3カ月以上経過して再発症状がなければ
セックスの際、必ずコンドームを正しく使用してください。

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尖圭コンジローマの治療は再発との戦いです。

でも必ずや、良くなる日がくると考えてください。

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お大事になさってください。

2017年03月26日 | トラックバック (0)

尖圭コンジローマの再発

30代の女性から「尖圭コンジローマの再発」について相談がありましたので報告いたします。
 

①尖圭コンジローマ
毛包はHPVの感染標的や潜伏部位の可能性がある

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【相談内容】
 
34歳の女性。未婚。

去年の10月にお風呂でブツブツがある事に気付き婦人科で治療を
 
続けていますが5ヶ月経った今もいろんな場所に再発を繰り返しています。
 
ベセルナクリーム、液体窒素治療、外科的切除・・・
 
いろんな方法で治療していますが一箇所良くなりかけると違う場所にまた
 
出来ているのを見つけ精神的に疲れ果ててきました。

免疫力を上げる方法を実践したり漢方も飲み続けたり出来る努力は
 
しているつもりですが結果がついてこず悲観的になるばかりです。

『 コンジローマは再発との戦い』と言われていますが
 
1年近く再発し続ける事はあるのでしょうか?

私は今34歳、未婚な事もあり治療が長引く事にとても焦っています。

よろしくご指導お願いします。


 
②参考症例:女性の尖圭コンジローマ
    (大陰唇・小陰唇・腟前庭など)
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③尖圭コンジローマの治療戦略
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【回答】
貴女は30代の女性。未婚。
 
2016年10月に風呂で外陰部にブツブツがある事に気付き某婦人科を受診し、
 
治療を受けている。
 
 尖圭コンジローマの治療を始めて5ヶ月間経つが、いろんな場所に再発を繰り返している。

治療はベセルナクリーム外用療法、外科的治療として液体窒素、外科的切除などを行った。
 
一箇所良くなりかけると違う箇所にまた再発し、再発を繰り返すため、精神的にストレスが溜まっている。
 
自分で、免疫力を上げる方法を実践、漢方薬も継続服用している。
 
好転しないためQOLが低下し、悲観的になっている状態である。
 
以上、貴女の経過・状態をまとめてみました。
 
つづく。
 
 

 ④尖圭コンジローマの治療 外科的療法
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【回答】つづき
 
貴女もご存知のように『尖圭コンジローマの治療は再発との戦いである』と
 
私はよく言っています。貴女のように長期間、再発が続く場合があります。
 
でも貴女の努力で、良くなる時期が必ずくると考えます。
 
学術的根拠はありませんが、私は尖圭コンジローマにも寿命があると考えているからです。
 
自然治癒も約20%あるとも言われています。
 
また良くなったかどうかの治癒判定は大変、難しい問題です。
 
それは再発率が高いからです。
 

 

⑤尖圭コンジローマの治療 薬物療法
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⑥ベセルナクリーム外用療法
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⑦イミキモド塗布と外科的治療の共同作戦
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【回答】つづき
 
目安としてはコンジローマの消失後、最低3カ月は再発がないことを確認することです。
 
とりあえず、このタイミングで治癒と判定いたしますが、6カ月後、1年後に再発しないとは言えません。
 
治療法として凍結療法、レーザー蒸散、電気焼灼、外科的切除、イミキモドクリームなどがありますが
 
コンジローマの絶対的治療法はなく、どんな治療を行っても、3カ月後の再発率は15~30%あります。
 
このように尖圭コンジローマの最大の問題は再発です。
 
考え方は色々ありますが、ある程度治療してみて効果がなければ、
 
貴女が今まで行ってきたように、一つの治療法にこだわらず、
 
他の治療に変更することも考慮すべきだと思います。
 
ただその治療法の説明を受け、その特徴を理解し、
 
貴女が納得して治療に望むことをお勧めいたします。
 

 

⑧外用療法と外科的治療の共同作戦
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⑨患者のQOLの低下
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【回答】つづき
 
貴女は現在、治療が長くなり将来に不安を抱えています。
 
また再発しないのか、いつまで治療するのか、結婚できるのか、子供を作れるのか、
 
子宮頸癌ならないのか、等々・・・・・貴女の悩みは深く、“生活の質”が低下しています。
 

 

⑩HPV感染による最大の対策は
ワクチンによる感染予防

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⑪日本でも4価ワクチン
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⑫治療法のまとめ
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【回答】つづき
 
貴女にはこれからの人生があります。
 
婦人科の主治医とよく相談され、治療を継続されてください。
 
早く治癒することをお祈り申し上げます。
 
お大事になさってください。

2017年02月21日 | トラックバック (0)

尖圭コンジローマについて

50代の男性から尖圭コンジローマについて相談がありましたので報告いたします。
 
【相談内容】
お忙しいところすいません。よろしくお願いします。

2ヶ月くらい前から亀頭や陰茎にボツボツや白浮線状のような物ができてきました。

本日、泌尿器科へ受診したところ、尖圭コンジローマと診断されました。

そこで大きな病院への紹介状をもらいました。

自分は、5年くらい前に本番なしの風俗で遊んだ事はあるのですが以降、
 
まったく性行為がありません。

包茎があり、不衛生からできたのかとも思ったのですが、

性行為が無くても尖圭コンジローマにかかる事はあるのでしょうか?
 
よろしくお願い申し上げます。

 

①はじめに

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②ヒトパピローマウイルス感染症

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③包皮内板の乳頭腫

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④包皮内板の乳頭腫(鶏冠状

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【回答】

貴男が覚えている感染機会は5年前ですから、尖圭コンジローマ

が発症したことが納得できませんね。

しかし人生にはこうゆうこともあるのですね。

原因がわかりませんから、イボの一部を切除し組織学的診断検査をやってもらいましょう。

本当に尖圭コンジローマかどうか確認いたしましょう。

HPV(ヒトパピロマウイルス)が寝ていたのですかね。

イボが発症した場所、数、大きさ、形状などで治療を考えましょう。

貴男の仕事の都合なども考慮し、

良く説明を受け納得して治療を受けましょう。

努力すれば必ず良くなります。



⑤外用療法:イミキモドクリーム

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⑥外用療法:イミキモドクリームの特徴

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⑦外用療法:イミキモドクリーム治療開始前の説明

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⑧治癒判定

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⑨尖圭コンジローマの治療は再発との戦いである

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⑩尖圭コンジローマの最大の問題は再発
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治療は外用薬、手術療法などがあります。

どんな良い治療を行っても15~30%の再発があります。

治療後、目視で3カ月以上再発がなければひとまず治癒という事になりますが、

6カ月~1年で再発する場合があります。


⑪マディラ諸島(ポルトガル)

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2017年02月07日 | トラックバック (0)

尖圭コンジローマ治療中の自慰行為、体液について

20代の男性から尖圭コンジローマの治療中の自慰行為、体液についての相談がありましたので報告いたします。

【相談内容】

私は20代の男性です。

ただいま私は尿道に出来た尖圭コンジローマを外科手術で切除し
 
再発後また手術をして今は経過観察中の者です。
 
尖圭コンジローマの治療中に自慰行為をするのは他の部分にも感染を

広げてしまうリスクはありますでしょうか?
 
また、尖圭コンジローマが尿道に出来ている場合、精液やカウパー腺液、尿などに
 
付着してウィルス感染が成立してしまう。などということはありますでしょうか?

尖圭コンジローマを患ってからかなり神経質になってしまい思い掛けなく
 
カウパー腺液が出てしまって亀頭が濡れてしまった時や放尿後に尿が
  
微量漏れてしまいそれが下着についてしまい、そこからまた新たに
  
感染してしまうのではと半年以上毎日ビクビクしながら過ごす日々です。
 
難しい問題だとは存じますが、
  
質問にお答えいただけると幸いでございます。
 
①参考臨床症例:尿道口に発症した尖圭コンジローマ 尿道下裂があるため感染防御機構が作用しない
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【回答】

私見で恐縮ですが、自慰行為はしてもかまわないと考えます。
尖圭コンジローマの治療は再発との戦いです。
  
尖圭コンジローマはどんな治療を行っても約20~30%は再発してきます。
手術後3~6カ月は経過観察が必要です。
  
成書では3カ月になっており、その間に再発しなければ治癒とみなしてよいとされています。
  
尖圭コンジローマの治療は、医師と患者さんの共同作戦です。
  
しかし、再発を繰り返すとQOL(生活の質)が低下してきます。
  
治療に対しやる気がなくなり、将来に不安を覚えます。
 
このような場合は医師と面談し今後の治療作戦を検討しましょう。
  
医師と貴男の努力、共同作戦で必ず良くなる時、勝利する時がまいります。
 
再発にめげずに頑張ってください。
  
自慰行為、精液、カウパー腺などと関係があるかということですが、
 
私が知る限りでは、専門家によるこの事についての調査、研究はないと思います。
 
ですから、明確にお答えできません。
 
でも、貴方は、今迄、感染してしまうのではと思いながら、半年以上、
  
ビクビクしながら過ごしてきて、再発してないのですから、私は大丈夫だと考えます。
 
またカウパー腺液が出てくるのは若い証拠です。
  
お大事になさってください。
 
②深海の光るクラゲ
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2016年09月01日 | トラックバック (0)

尖圭コンジローマの再発について(女性)

30代の女性から尖圭コンジローマの再発について相談がありましたので報告いたします。
 
【相談内容】

数年前たまたま婦人科で小さいイボのようなものがあると言われました。
 
イボをとり検査してもらうと6、11型HPVの尖圭コンジローマと診断を受け、ベルセナクリームをぬり治療終了となりました。
 
最近、違う場所にイボのようなものを見つけ、ネットで調べた泌尿器科の病院へ行くと、イボをとったりせず尖圭コンジローマだ。
おしっこの出口にもある。
 
難易度高いな。と独り言を言い外科手術がいいと言われ仮予約をするよう言われました。
 
また(腟の)中は婦人科で診てもらって。
 
といわれショックとなんだか放り投げられたようで全てがとても不安です。

① 尖圭コンジローマの再発(尿道口付近)

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尾上先生のように親身にそして中も外も診てくださる病院は東京にあるのでしょうか。
 
もし先生でも、第一選択を外科手術にする事もありますか。
 
出来れば都下でご存知であれば教えて下さい。
 
また6、11型HPVでも尿道口に出来る事もあるのか教えて下さい。宜しくお願いします。
 
私は未婚でこれから子供が欲しいのですがoral&性行為はしてはならないと思い
どうしたら良いのかわからず悲観的になるばかりです。

性行為はどういう状態になったら可能でしょうか。

また今後健康な子供を授かる事は可能でしょうか。

併せて教えてください。宜しくお願いします。

② 中華料理(アワビ)

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【回答】

数年前に6、11型HPVの尖圭コンジローマ(CA)と診断を受け、ベルセナクリームの塗布治療を行った。
 
その後落ち着いていました。
 
最近、泌尿器科で診察を受け外陰部に尖圭コンジローマ(CA)があると言われ、さらに尿道の出口付近にもCAがあると言われた。まとめると以上ですね。
 
組織学検査を受ければ、6、11型HPVが検出されると考えます。
 
現在、私はCAの治療はできません。
 
手術をするか、他の治療にするかは、先生方の考え方で変わります。
 
CAの過去の歴史、出来た部位、大きさ、個数、性状などで治療方針が変わります。
 
私がお勧めする先生のところに一度、受診され相談してください。
 
NHKなどに数多く出演され、超有名な先生です。
 
JR鶴見駅の前にあるコーリンビル5階の『まりこ皮膚科』です。
 
院長は本田まりこ先生です。
 
尖圭コンジローマ(CA)の専門家でもあります。
 
グーグルで 「まりこの皮膚科」 を検索され、予約を必ずして受診してください。
 
尾上先生から受診するように言われたと、伝えてください。
 
将来のことですが、これから治療を行い、良くなってから最低3カ月、できたら6カ月の経過観察が必要です。
それでも再発する可能性があります。
 
尖圭コンジローマの治療は❝再発との戦い”ともいえます。
 
でも貴女の努力で必ずや、勝利します。
 
そうすれば、普通にセックスもでき、結婚もできるし、お子さんを作ることも可能です。

2016年07月10日 | トラックバック (0)

尿道内の小腫瘤

20代の男性から相談がありましたので、ご報告いたします。
 
【相談内容】

はじめまして。地元の川崎市にて秘尿器科を探している時にこちらへたどり着きました。

10日ほど前に尿道口を軽くめくった場所に、何かできものが3~4つ出来ているのを発見し、もしかしてコンジローマでは?と思い、先週総合病院の泌尿器科へと診察に行きました。

診てもらった結果は「あるけどよくわからないなぁ。まぁ心配しなくてもそのままで大丈夫じゃない?」

といった感じでなんだか投げやりに終わってしまいました。

1週間たった今、特に大きくなったり増えたりということはまだありませんが、パートナーの事も含め正直かなり不安で悩み果てています....。

こういった場合病院を変えるべきか、再度その病院へ行き先生を代えてもらい診察をしてもらったほうが良いのでしょうか?

また、尿道の粘膜へのできものの場合皮膚科へ行くべきか泌尿器科へ行くべきかも悩んでおります。

この付近で性感染症に詳しいお医者様がいらっしゃいましたらお忙しい中申し訳ございませんが、ご教示いただけると幸いでございます。

【回答】

尿道内に小腫瘤ができている。ご心配ですね。心が病みますね。早く、心の平安を取り戻しましょう。

これは専門医が診察しないと分かりません。

尿道内に発症した良性腫瘍(尖圭コンジローマ、尿路乳頭腫症など)、悪性腫瘍などを考えなければなりません。

残念ながら、私は都合が悪く診察することができません。

川崎でしたら、隣のJR鶴見駅前にある≪まりこの皮膚科≫(コーリンビル5階)の本田まりこ先生に診てもらったら如何ですか。
安心して受診してください。

日本では有名な先生です。ネットで検索して予約して受診してください。

お大事になさってください。

①尿道内に発症した尖圭コンジローマ
この方は先天的に尿道下裂(尿道が裂けている)があり尿道が哆開しているためあらゆる感染に対し無防備状態である。そこに尖圭コンジローマが発症した。

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①ウイルス

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2016年04月23日 | トラックバック (0)

「尖圭コンジローマについて」

30代前半の男性から尖圭コンジローマについて相談を受けましたので、報告いたします。

【内容内容】
お世話になります。30代前半の男性です。

先日( 1ヶ月半前)尿道口横(尿道下裂)に白か褐色の1ミリ以下の半球形の出来物ができました。
 
場所が場所なので泌尿器科を受診し視診して頂きました。
 
結果、尖圭コンジローマか脂肪の塊か半々との結果を頂きました。
 
その日に冷凍する方法で処置をされ、2週間後傷口を見せ完治との結果でした。
 
今現在傷口は跡が残っている状態です。
 
他の部位に何か出来でいる様子もありません。
 
脂肪の塊なら治療後このままでも良いのでしょうが、 尖圭コンジローマだった場合どうしたら良いのかわからず相談させて頂きました。
 
出来物自体も先生のHPにある様な物でもないのですが...

先生のご意見を聞かせて頂けたら助かります。

ご教授の程宜しくお願い致します。
 
 
【回答】
1ヶ月半前、尿道口の横(尿道下裂)に白か褐色の1ミリ以下の半球形の腫瘤を認めた。
 
泌尿器科を受診し視診してもらい、尖圭コンジローマか脂肪の塊か、その半々との結果であった。
 
当日、液体窒素による凍結療法を施行し、小腫瘤は無くなり、2週間後の創面の診察で治癒とのこと。
 
現在傷口は治癒跡が残っている状態である。
 
以上、貴男の臨床経過をまとめてみました。
 
ご存知のように、尖圭コンジローマは非常に多彩な様相を呈します。
 
出来る部位、大きさ、色彩(白色~黒褐色)などさまざまです。
 
貴男は尿道下裂があるのですか!?
 
もし尿道下裂がありますと、外尿道口が開いているので性感染症に対しての感染防御機能が低下いたします。
 
つまり感染に対し無防備になるということです。
 
もちろん、尖圭コンジローマにも感染しやすくなります。
 
ただ貴男の外尿道口周辺にできた小腫瘤が尖圭コンジローマなのか、他の良性腫瘤なのかは手術時に組織生検で病理組織検査をなさっていれば、分かった可能性があります。
 
ただ、脂肪の塊ということはありません。
 
恐らくその先生は、良性腫瘤という意味合いで「脂肪の塊」と表現されたのでしょう。
 
尖圭コンジローマの診断は視診が中心ですから、それは良いとしても、かなりの経験が必要となります。
 
診断が難しい場合は組織を生検すべきです。
 
確定診断には組織学的検査が必要です。
 
でも、現在治癒されているわけですから、ご心配ないと考えます。
 
術後、3か月以上経過して何か腫瘤が生じてこなければ安心できると思います。
 
また貴男に特定のパートナーがいらっしゃるのでしたら、一度、婦人科で診ていただきましょう。
 
そして、心に平和を勝ち取りましょう。
 
お大事になさってください。
 
【相談者から返事・内容】
お忙しい中ご返信ありがとうございます。

私自身も尖圭コンジローマだった場合もっと大きくなったり増えたりするのではないかと頭では分かっていたつもりなのですが。なかなか信じきれずにいました。

先生のおっしゃる通り半々という結果を出すのであれば組織生検にだしてもらえれば結果は分かったはずですし、今後の生活の仕方も大分変わったと思います。

妻もおります。
 
今回このタイミングで子宮頸がん検診がありましたので受診した結果何も異常は 無かったそうです。

ご相談に乗って下さりありがとうございます。

①幸せを呼ぶ青い蜜蜂

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②尖圭コンジローマ:亀頭冠に樹枝状の乳頭腫を認めます

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2015年09月29日 | トラックバック (0)

『ベセルナクリーム塗布による 尖圭コンジローマの臨床経過[女性]』のパンフレット

2013年4月に作成。
『ベセルナクリーム塗布による尖圭コンジローマの臨床経過<女性>』
のパンフレットを持田製薬(株)のご依頼により作成いたしましたので報告いたします。
 
持田製薬(株)
ベセルナクリーム5%の尖圭コンジローマに用いた臨床成績の写真です。
 
1.本邦初の尖圭コンジローマ治療薬です。
2.尖圭コンジローマ(外性器または肛門周囲に限る)に対し
優れた臨床効果を発揮する外用剤です。
3.サイトカイン産生促進によるウイルス増殖抑制作用および細胞性
免疫応答の賦活化によるウイルス感染細胞障害作用を有しています
(in vitoro,マウス、ラット、モルモット、サル)。
4.副作用は国内臨床試験で本剤を使用した64例中、53例(82.8%)に
認められています。(承認時)
使用成績調査における副作用は2,468例中552例(22,4%)に
認められています。(第6回安全性定期報告時)

承認時での主なものは紅斑(54.7%)、びらん(34.4%)、表皮剥離(32.8%)、浮腫(17.2%)等の
塗布部位の皮膚障害及び疼痛(28.1%)等の塗布部位反応でした。
使用成績調査での主なものは紅斑(9.2%)、ビラン(8.6%)、表皮剥離(0.8%)等の塗布部位の
皮膚障害及び疼痛(2.2%)、刺激感(1.3%)、?痒感(1.1%)等の塗布部位反応でした。
 
効果・効能
尖圭コンジローマ(外性器または肛門周囲に限る)
日光角化症(顔面または禿頭部に限る)
用法・用量(抜粋)
尖圭コンジローマ(外性器または肛門周囲に限る)
疣贅部位に適量を1日1回、週3回、就寝前に塗布する。
塗布後はそのままの状態を保ち、起床後に塗布した薬剤を石鹸を用い、水又は温水で洗い流す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
薬剤塗布により局所免疫が賦活されるため、皮膚に紅斑などが高頻度に
見られる場合があることをあらかじめ患者さんにご説明ください。
 
ベセルナクリーム塗布による症例経過は写真を参考にしてください。

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2015年05月14日 | トラックバック (0)

継続治療が不可決な性感染症「尖圭コンジローマ」

今回は週刊ポストから「尖圭コンジローマ」について 取材を受けましたのでこれを報告いたします。

週刊ポスト201272027日号の「医心伝身」に掲載されました。

取材記事は以下に示します。

第303回 あなたを癒す ふーん、ナルホド!医心伝身

 継続治療が不可決な性感染症

「尖圭コンジローマ」

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で男女とも性器や肛門の周囲にイボができる病気だ。良性で特に自覚症状はないが、乳頭状や鶏のトサカ状のイボが次第に広がる。

治療は薬や外科的治療を組み合わせるが、完治まで継続しないと再発を繰り返す。HPVの中には遺伝子型により子宮頸がんの原因になるハイリスク型もあり、ワクチン接種で予防が肝心だ。

人間の体にできるイボは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因である。

男女合わせ年間約10万人が感染するといわれ、症状は男性が主に亀頭や冠状溝や尿道、陰のう、肛門など、女性は外陰部と子宮口や粘膜などに、乳頭状やトサカ状のイボができる。

大きさは1~3ミリメートル前後で次第に範囲が広がる。

大きな自覚症状はないが、痛みやかゆみを訴えることもある。

HPVは性感染症で、皮膚や粘膜にある小さな傷から侵入して感染する。

潜伏期間は平均2.8か月と長く、いつ発症したのか自覚がなく感染源特定が難しいことが多い。

宮本町中央診療所(神奈川県川崎市)の尾上泰彦院長に話を聞いた。

「尖圭コンジローマの原因であるHPVは、遺伝子の方により、がんなど悪性化の可能性があるハイリスク型とローリスク型があります。

尖圭コンジローマは良性で、6型と11型のローリスク型が原因で起こります。

しかし16型と18型はハイリスク型で、子宮頸がんや陰茎がんを引き起こす可能性があります」

尾上院長の研究で、尖圭コンジローマの男性27例(28検体)に対し、PCR法というウイルスの遺伝子レベルの検査をしたところ、ほとんどが6型、11型だった。しかし、女性の22例(44検体)を対象にした検査では、16型と18型のハイリスク型が34%確認された。ハイリスク型は約50%の確率で将来がんになる可能性もあり注意が必要だ。

治療は2007年にイミキモド5%クリームが保険適用になり、現在は第一選択になっている。

使用法はイミキモド250ミリグラムを患部に塗布し、6~10時間後に水か温水で洗い流す。これを1週間に3回、最長16週(4か月)行う。

約80%で赤くなったり、ただれる皮膚反応が起こり、治療をやめるケースも多い。

イボが消えてもウイルスが残っている可能性があり、3ヶ月間再発しないことを確認して完治になる。他に凍結療法、電気焼灼療法、炭酸ガスレーザーなど外科的治療があり、患者の希望や症状を見ながら、最適な方法を組み合わせ治療する。

「イミキモド5%は再発率が低いのですが、治療に長い時間がかかるため治療意欲が低下、不安になる方が多いのが問題です。

諦めず継続できるよう医師と協力して治療するのが重要です」(尾上院長)

HPVは予防にまさる治療なしといわれ、現在HPVワクチンが子宮頸がん用に2種類保険適用になっている。一つは16型と18型のハイリスク型をターゲットにしたワクチンで、もう一つはコンジローマの原因の6型、11型と16型、18型の4種類用のワクチンだ。保険適用は女性だけだが、オーストラリアの研究ではコンジローマの女性患者にワクチン接種したところ、男性の感染も減少したという報告がある。性感染症は自覚なしに相手にうつすこともある。

尖圭コンジローマだと思ったら、専門医の受診が大切だ。

(取材・構成/岩城レイ子)

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2014年08月01日

尖圭コンジローマ  ~問診と視診について~

今回は、皮膚科専門医の日常診療情報誌 DERMATOLOGY 第9号(2009年10月)

「ひ~ふ~み~」特集: 「性感染症」 Topics1.

<<
掲載記事のPDF>>

に私の記事が掲載されましたので報告いたします。

総監修:東京逓信病院皮膚科部長 江藤隆史先生

 尖圭コンジローマ ~問診と視診について~

尾上泰彦宮本町中央診療所 院長

Summary

尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により生じる疣贅で、大部分は性行為で感染する。原因となるのは主にHPV6型と11型である。診断には問診技術と視診技術が重要となる。形態的特徴から目視で診断可能であるが、診断困難な場合、生検による病理組織検査あるいはHPVの病原検査で鑑別診断を行う。

1.はじめに~尖圭コンジローマに思う

尖圭コンジローマ(condyloma acuminatumCA)はヒトパピローマウイルス(humanpapilloma virusHPV)の感染により生じる疣贅で、大部分は性行為で感染する。原因となるのは主にHPV6型と11型である。CAは性感染症(sexually transmittedinfectionsSTI)の中で比較的頻度が高く、皮膚科医の日常診療において避けて通れない疾患である。CAは疣贅以外の自覚症状がなく、潜伏期間が長いためSTIと気づかない患者がいる反面、インターネットなどで知識を得てCAと思い込んで受診する患者もいる。医師とて同じでCAと誤診し、過剰な治療をしてしまうケースにしばしば遭遇する。本稿では診断、特に問診技術、視診技術、鑑別診断について解説する。

2.問診のポイントとパートナーについて

診断には、問診技術とセックスパートナーに関する聴取が重要である。問診は、プライバシーを考慮した上で慎重に進める。診察の初めに問診を行う場合は、まずは簡単な項目(主訴、来院理由など)にとどめ、詳細は性器の視診時に行う。問診後に視診を行うより、視診の流れの中で問診を進める方が、より具体的な内容の聴取が可能となる。また、患者側も医師とのコミュニケーションがスムーズになる傾向がみられる。

発症時期は、疣贅以外の自覚症状が乏しく特定できないことが多い。感染機会・感染源についても、潜伏期間が約3週間~8ヵ月と長いため、パートナーが一人であれば特定可能だが、複数あるいは不特定多数の場合は困難である。職業などの患者背景は、感染源特定の参考となるので具体的に聴取しておく。また、性歴も感染源の特定に役立つ。パートナーとの性的行為の時期、その具体的内容、パートナーの人物背景について聴取しておくとよい。

既往歴に関しては、CAは初感染か再発か、CA以外のSTI罹患の有無などを確認する。CAの治療歴がある場合はその時期、治療法、効果など詳細に聴いておく。パートナー歴は、性的行為を持った人数、CAの有無、もしあれば治療内容、その他STIの既往歴を聴取する。パートナーも患者本人と同時に罹患していることが多く、約3040%にCAが認められる。現在、症状がみられなくても、数ヵ月後に発症するおそれがあるため、十分な追跡が必要である1)。診察は感染機会より期間を空けて2回以上行い、可能ならば6ヵ月後にも行う。

3.視診の心得

1.性器の視診前に口腔内の視診を  稀だが、CAの口腔内症例の報告もある2)。オーラルセックスが日常的に行われている現在、口腔内(粘膜・舌・咽頭など)の視診も忘れずに行う。特に性風俗従事者commercial sex workersCSW)や男性同性愛者においては必要である。

2.性器診察・視診の具体的方法
最初に、患者の訴えの部位と病状を確認する。男性性器・肛門部では、亀頭・冠状溝・包皮内板に発生することが多いので、包皮を十分に飜転し観察する。視診順序は外尿道口、亀頭、冠状溝、小帯、包皮内板、包皮輪、外板、陰茎根部、陰嚢会陰そして肛門の順で行う。特に外尿道口には病変が潜んでいることが多いため、両手指で広げて尿道内粘膜を視診する。陰嚢の視診は皺壁が多いので伸展する。真性包茎がある場合には、泌尿器科医と連携し、包皮を背面切開の上、亀頭を露出させて行うとよい。 女性性器では大陰唇、小陰唇、陰核包皮を手指で十分に伸展させて小病変を見逃さないようにする。腟前庭部、外尿道口の視診は丁寧に行う。さらに腟鏡を用いて腟壁・子宮頸部の視診を行う。必要があれば、産婦人科医との連携を行う。肛門周囲は皺が多いので皮膚を伸展させる。場合によっては、肛門科と連携し肛門鏡による直腸の観察が必要となる。視診では認め難い潜在病変を疑うときは、酢酸液を塗布して観察すると病変部が白色に変化してみられる。粘膜で平坦にみられる場合は3%液を塗布し、皮膚では5%液を塗布する3)。もし病変を認めれば、直接患者と対面し(見えにくい患部は鏡、画像などを利用して)、その部位を確認させ、どこに、どのような疣贅がどの程度できているか、説明し病識を持たせる。これらの視診は患者と共に行う姿勢で対応するのが望ましい。

4.STI検査
CAが認められた場合、他のSTIにも罹患している可能性があるため、S T I検査を実施する。H I V検査、梅毒血清反応、クラミジア検査、淋菌検査などは必須である。特にH I V感染者のC Aは多発し、難治例が多い。H I V非感染者に比べると、病変中のHPV量が多いという報告がある4)。

5.CAの診断困難な場合~病理組織検査

診断が不確実である場合には、病理組織検査を行う1)。CAの特徴は、軽度の過角化、舌状の表皮肥厚、乳頭腫症の他、表皮突起部位の顆粒層に濃縮した核と細胞質が空胞化した空胞細(koilocytosis)がみられることである1)。HPVの病原検査が、保険適用外である現状では病変部の生検によって診断を確定させることが重要となる。

 

6. HPV検出法

 

CAがウイルス感染症である以上、HPVの検出および同定による診断が望ましい。病原体の検出には

核酸検出法を用いる。実施方法としてH y b r i dCaptureHC)法とPCRpolymerase chain reaction

法の2種類がある。HC法では、低リスク型(6,11,42,43型)と高リスク型(16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68

型)のHPVを判別できる。遺伝子型の判定には、DNAチップ法などがある。PCR法は高感度なため、

過剰診断に対する注意が必要である1)。

 

7. 臨床像

 

男性のCAは、冠状溝周辺(図1)、包皮内板(図2)に多くみられるが、陰茎全体(図3)にもし

ばしば発症する。外尿道口(図4)にも発症するので視診時に注意する。陰茎根部周辺(図5

に黒褐色の隆起性疣贅が集簇して発症した場合には、生検を行い、ボーエン様丘疹症(Bowenoid

papulosis)との鑑別が必要である。肛囲(図6)に発症した際は、肛門鏡で直腸まで観察を行う。

女性の好発部位としては、腟及び腟前庭(図7)、大小陰唇、子宮口の他に、男性と同様に肛門及

び周辺部、尿道口(図8)などがある。

 

8. 鑑別診断

 

CAと鑑別を要する疾患には扁平コンジローマ(図9)、pearly penile papules(図10)、腟前庭乳頭腫症

vestibular papillomatosis(図11)、非性病性陰茎硬化性リンパ管炎(図12)、性器伝染性軟属腫(図13)、

ボーエン様丘疹症、epidermolytic acanthomaなどがある。

 9.最後に

現在、臨床医が行っているCAの診断は、問診、視診および病理組織検査のみで、あきらかに限界がある。適正な病原診断に基づくCA管理という理想像にはほど遠い状況である。現在、健康保険が適用となる病原診断検査はない。CAがウイルス感染症である以上、正確で感度がよい、HPVの型判別可能な診断法の早期保険適応が望まれる。

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2014年07月19日

尖圭コンジローマの予防ワクチンに関する質問あれこれ(3)

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以前の「尖圭コンジローマの予防ワクチン」のコラムについて、読者の方からいくつか質問が来ました。
過去2回の内容については、バックナンバーをご覧ください。
今回は別の質問についてご紹介しましょう。

いただいた質問は、パートナーが尖圭コンジローマになった男性からで、
泌尿器科では今のところ異常なしと診断されたが、今後、男性もワクチン接種を受けたら、HPVウイルスを無くすことができるか?というものです。

泌尿器科で診察を受けて、現在の状態で尖圭コンジローマが外陰部(ペニスなど)にできていないということは、臨床的には、大変喜ばしいことだと考えます。

しかし、そこに尖圭コンジローマの原因となるHPV(低リスクグループ)がいるか、いないかまでは分りません。ウイルスは目視では判別できないからです。

尖圭コンジローマの原因となる低リスクグループのHPVがいるかどうかの遺伝子レベルの検査もあります。

しかし、その結果、もしHPVの存在が分っても、それが原因で、将来、尖圭コンジローマが生じるかどうかも分りません。
また、逆にHPVの存在がないと分っても、将来、尖圭コンジローマが生じないという保証はありません。

研究施設では尿検査、精液検査で多くの男性にHPVが発見できることもあります。
ですから見つかっても、見つからなくても同じだと考えてよろしいでしょう。

ではHPVワクチン接種でこの“HPVを無しできるか?”ですが、これは難しい問題です。

近い将来、承認・発売されると言われている、4価ワクチン(Gardasilガーダシル)を接種すれば約80~90%に効果があるのではないかと考えます。

以上が私の見解です。皆さんのご参考になれば幸いです。

2011年02月06日

尖圭コンジローマの予防ワクチンに関する質問あれこれ(2)

以前の「尖圭コンジローマの予防ワクチン」のコラムについて、
読者の方からいくつか質問が来ました。

前回は「既に尖圭コンジロームになって完治した状態でもHPVワクチン接種は

受けられますか?」という内容をご紹介しました。

くわしくはバックナンバーをご覧ください。

今回は別の項目についてご紹介しましょう。

いただいた二つ目の質問は、「既に尖圭コンジロームになった人でも、そのHPVワクチンは

今後の予防策として効果がありますか?」というものです。

HPVワクチンは現在、感染している尖圭コンジローマには効果はありません。

接種をしてもそれが尖圭コンジローマの治療になるわけではありません。

しかし、4価ワクチン、特に9価HPVワクチンはHPV型:6,11,16.18、31、

33、45、52、58(低リスク型、高リスク型)に約90%近く効果が期待されますから、

予防策として接種する意味合いはあると考えます。

これらのHPVウイルスに対して効果があるということは、言い換えると、子宮頸癌、

陰茎癌には約90%、尖圭コンジローマには90%以上をカバーできると考えられてよいでしょう。

今後は、HPVウイルスやワクチンに対する人々の認知が進むことに合わせ、

接種に対する公的補助の拡充も望まれるところです。

2011年01月05日

尖圭コンジローマの予防ワクチンに関する質問あれこれ(1)

以前の「尖圭コンジローマの予防ワクチン」のコラムについて、
読者の方からいくつか質問が来ましたので、今回はそれについてご紹介しましょう。
私の現在の考えですが、参考にしてください。

いただいた質問の一つ目は「既に尖圭コンジロームになって完治した状態でもHPV
ワクチン接種は受けられますか?」というものでした。

実は尖圭コンジローマ(以後CA)の完治とはどういう状態かは、大変難しい問題です。

臨床的には通常CAが治療後3か月以上、再発しない場合「治癒」としていますが、

6か月以上経ってからでも再発する場合があります。

ですから私は、完治とは「1年以上、再発しない場合」と考えております。

また、尖圭コンジローマ(CA)の原因となるヒトパピローマウイルス(以後HPVという)

の多くは低リスク型の6型、11型ですが、CAに罹った患者さんは、同時に他の型

(高リスク型を含む)のHPVに感染している可能性が30~50%あります。

2011年に日本で承認・販売予定である4価ワクチン(Gardasilガーダシル)は、

HPVの低リスク型(6型、11型)と高リスク型(16型、18型)に関連する疾患に予防効果があります。

従って、CAが完治しているのであれば、4価ワクチン(Gardasilガーダシル)を

接種すれば約70~80%以上に効果があるのではないかと考えます。

また現在、アメリカで臨床試験が行われている、9価ワクチンが近い将来、

日本で使用されるようになれば、CAの90%以上に予防効果が期待できます。

しかし現在、日本では、2価ワクチンは女児(11~15歳)に公費負担による接種制度が

拡がってきていますが、4価ワクチンについてははっきりしていません。

ですから接種を希望する場合は自費となり、少し高額となるでしょう。

他の質問は次回にご紹介します。

2011年01月05日

尖圭コンジローマの予防ワクチン(その3)

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前回は来年に承認がおりるとされている、4価HPVワクチン(MSD社:ガーダシル)について

お話ししました。くわしくはバックナンバーをご覧ください。

今回は、4価ワクチンに詳しいK先生と私で行った対談の模様をご紹介します。

******対談*********

尾上:「K先生、4価ワクチンは尖圭コンジローマに予防効果があるのでしょうか?」

K先生:「効果はあります。女性にも男性にも、4価ワクチンの尖圭コンジローマの
疾患予防効果は証明されています」

尾上:「ワクチンですからセックスデビューしてない若い人効果があるのは分かります。
しかしオーストラリアでは、26歳以下の女性の尖圭コンジローマも、この3年で明らかに
減少していると言われています。しかも、そのパトナーの若い男性の尖圭コンジローマも
減少傾向にあるそうですが、本当でしょうか?」

K先生:「さすがによくご存じですね。そうです。
つい最近、「Lancet Infectious Diseases」に4価ワクチンのデータが掲載されました。
それによると、オーストラリア在住の女性の間では尖圭コンジローマ減少し、
非在住の女性では減少していないそうです。」


尾上:「それはつまり、オーストラリアでは、26歳まで公費負担(無料)で4価ワクチンを接種できるので、
そのワクチン接種を受けた女性だけに、尖圭コンジローマの減少傾向が見られると言うことですね。」

K先生:「その通りです。その恩恵で、オーストラリアでは、26歳以下の女性をパートナーに持つ男性の
尖圭コンジローマも減少しています。
一方、27歳以上の女性をパートナーに持つ男性では減少していません。
なぜなら27歳以上の女性はワクチン接種されなかったからです。
このことからも、4価ワクチンの効果は明らかですね。」

尾上:「将来的に日本では4価ワクチンが尖圭コンジローマの予防として使用されるのでしょうか?」

K先生:「来年(2011年)には、承認・発売されるのではないかと期待しています」

尾上:「これによって尖圭コンジローマの予防・治療が一変しますね。」

来年の4価HPVワクチン(MSD社:ガーダシル)の承認が待たれますね。

2010年12月06日

尖圭コンジローマの予防ワクチン(その2)

前回は、子宮頸癌の予防ワクチンとして、現在日本で認可されているGSK社の2価HPVワクチン

(サーバリックス)についてご紹介しました。

詳しくはバックナンバーをご覧ください。

今回は来年に承認がおりるとされている、4価HPVワクチン(MSD社:ガーダシル)について

お話ししましょう。

4価HPVワクチンは、子宮頸癌の約70%を引き起こすとされる

「HPV16型」「HPV18型」に加えて、HPV6型、11型に起因する疾患を

予防するワクチンです。

ですから子宮頸癌はもちろん、外陰癌、腟癌およびその前駆病変を

予防するワクチンと言えます。

私が注目してるのは、HPV6型、11型に効果がある点です。といいますのも、

HPV6型、11型は尖圭コンジローマの原因として最も多いHPVだからです。

先日、「4価ワクチンと尖圭コンジローマ」について、

4価ワクチンに詳しいK医師と私で対談を行いました。

次回はその内容をご紹介しましょう。

2010年12月06日

尖圭コンジローマの予防ワクチン(その1)

最近、子宮頸癌の予防ワクチンが社会的話題となっていますね。

自治体によっては接種費用が無料になったり、費用の割引を受けられるクーポンが

配布されたりしているところもあるようです。

接種対象者はセクシャルデビューしていない11歳~14歳の女児とされていますが、

もちろん、性交経験者でも45歳までの成人女性であれば有効とされています。

HPV(ヒト・パピロ-マ・ウイルス)への感染を防ぐことによって子宮頸癌を予防するという、

この画期的なHPVワクチンは、すでに世界の多くの国で使用されています。

日本では2009年の秋にGSK社のワクチンが承認されました。

だだし、日本で承認された現在のGSK社の予防ワクチンは、

2価HPVワクチン(サーバリックス)です。

子宮頸癌の約70%を引き起こすとされる「HPV16型」「HPV18型」の感染予防を

目的としており、すべての子宮頸癌を予防できるわけではありません。

2010年12月現在、わが国で承認されているHPVワクチンは

2価HPVワクチン (サーバリックス)のみです。

しかし、最近、4価HPVワクチン(MSD社:ガーダシル)が来年には承認されると

話題になっています。

この4価ワクチンにはどんな効果があるのか、次回に詳しくお話ししましょう。

2010年12月06日

肛門にできた巨大尖圭コンジローマ(その2)

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前回は少し前に私の診療所を訪ねてきた、36歳のある男性会社員の話をご紹介しました。

詳しくはバックナンバーをご覧ください。

今回は、肛門の周りに巨大尖圭コンジローマができていた彼を、「ベセルナクリーム5%」を

使って治療した時の様子をご紹介しましょう。

「ベセルナクリーム5%」の使い方は、一般的には就寝前に患部を中心に、

クリームを手指で塗ります。

そして約8~10時間後に入浴し、そのクリームを石ケンで洗い流す作業をします。

この一連の作業を1週間に3回行います。

今回の彼にも、ベセルナクリーム5%を処方し、肛門周囲への塗布療法を開始しました。

開始から2週間後には全体的に尖圭コンジローマのボリュームが約10%減少。

さらに4週間後には肛門周囲皮膚が発赤し、一部ビラン面(タダレ)がでてきましたが、

尖圭コンジローマのボリュームは約40%減少しました。

長期間にわたるべセルナクリーム5%の治療は、患者さんが塗布を忘れてしまったり、

怠けてしまったりすると効果が表れにくいこともあるのですが、この彼の場合は治療意欲が

高く、そのまま順調にベセルナクリーム5%の塗布療法を継続することができました。

治療を開始してから8週間後には多少のタダレはあるものの、ボリュームは約90%減少と、

私の予想よりも早く進行。

12週間後にはボリュームは約98%減少し、尖圭コンジローマは3スポットのみに

認められる状態になりました。

ここまで来たところで、彼と相談し、レーザー治療に踏み切りました。

今月でレーザー治療後3ヶ月になりますが、術後経過は順調です。

心配していた再発も認められず、「良かった、良かった」という心境です。

ちなみに、彼の話によると、婚約中の彼女の尖圭コンジローマの方は、

他の婦人科でレーザー治療を受け、こちらも経過は順調とのことでした。

尖圭コンジローマの治療は再発との戦いでもあります。

完全に治癒するには、患者さんと医師の信頼関係に基づく、

長期間の「共同作業」が必要です。

一般的には、経過が長くなり患者さんの治療意欲が低下すると、治療成績も低下します。

そこで、患者さんの患部の状態だけでなく、精神状態をしっかり見極め、

適切なアドバイスをしたり、根気よく励ましたりする医師のサポートが

大変重要になってきます。

ですからこの治療は、ある意味、患者と医師の“愛の共同作業”とも言えるかもしれません。

この彼とフィアンセの治療努力が実り、結婚、そして新しい命の誕生となりますことを、

心より祈念しています。

2010年11月05日

肛門にできた巨大尖圭コンジローマ(その1)

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先日、私の診療所を訪ねてきた、36歳のある男性会社員のお話です。

本人いわく、1ヶ月前に肛門の周りにイボができているのに気づき、痔の病気だと思って

近所の医師に診てもらったのだそうです。

その医師には「肛門の周りが荒れている」といわれ、外用薬を処方されたそうなのですが、

それをつけても、一向に症状は改善しない。

不審に思った彼は、自分でいろいろとネットで調べたところ、

「どうも自分は尖圭コンジローマではないか」と考え、当院に受診してきたというのです。

さらに話を聞いてみると、現在、婚約中の彼女が尖圭コンジローマであることも判明。

さっそく患部の診察を開始しました。

彼の性器、肛門を診察すると肛門全周にわたって、尖圭コンジローマがびっしり

多数、隆起状にできており、巨大尖圭コンジローマと診断しました。

幸なことにペニスには尖圭コンジローマは認められません。

また、肛門周囲にできる尖圭コンジローマ患者はHIV感染者、

梅毒患者であることが多いので、あわせてその検査も行いました。

検査の結果はHIV検査

陰性、梅毒血清反応:陰性でありましたので、先ずはホッといたしました。

彼のような巨大尖圭コンジローマの治療は、20年程前だったら、

まず炭酸ガスレーザーで蒸散、Vaporizationを行うことが一般的でした。

しかし、私の経験上、レーザー治療をして再発した場合、

その後の治療に難渋することが多いと

わかっていましたので、今回はいきなりのレーザー治療は施行しないことにしました。

先ず使用したのは約3年前から、日本でも保険承認された免疫調整剤である

「ベセルナクリーム5%」です。

名前だけは聞いたことがあるという方も多いかもしれませんね。

では、このクリームを使った治療法とその経過は、次回にお話しすることにしましょう。

2010年11月05日

尖圭コンジローマは再発するの?(その2)

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前回、ベセルナクリーム5%を塗布したものの、尖圭コンジローマが再発してしまった女性の例をご紹介しました。詳しくはアーカイブをご覧ください。
今回はもう少し詳しくべセルナクリーム5%の効果と正しい使用法についてご説明しましょう。

ベセルナクリームの作用機序はウイルスから身体を守る能力(免疫能)を高め、尖圭コンジローマの原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)の増殖を抑制 したり、ウイルスが感染した細胞を障害することでイボを治します。
現在、多くの専門医が使用しており、塗布は1日1回、1週間に3回行います。

一般的には就寝前にイボとその周辺にうすく塗布し、6~10時間後の起床時に石鹸を使って洗い流します。
もちろんクリームを塗布するタイミングは、患者さんの生活スタイルに合わせて決めても構いません。

最低2週間程度(8回塗布)塗ると、イボやその周辺の赤み(紅斑)、ただれ(ビラン)、表皮がはがれる(表皮剥離)などが高い頻度であらわれます。
この頃になるとイボが少し小さくなってきます。
患者さんも治療の効果が出てくると治療に積極的に取り組む意欲が出てきます。
このクリームは最大16週間まで保険適用です。

尖圭コンジローマの治療は、目視でイボがまず無くなることが第1目標ですが、イボが無くなってから3ヶ月の経過観察が非常に大切です。それは30%以上が再発するからです。
まさに尖圭コンジローマの治療は再発との戦いです。
今回のご相談者の場合、先ずベセルナクリーム5%の使用期間・回数があまりにも少なく、経過観察も充分とはいえませんでした。そして残念ながら再発につながったと考えられます。

しかし、尖圭コンジローマの治療方法は大きく分けて外科的療法、薬剤塗布療法、内服療法の3つがあり、レーザー治療等の手段もあります。
尖圭コンジローマの治療は一つの治療法にこだわらず、効果が無いと感じたら他の治療法に切り替えたり、いろんな治療法を組み合わせて行うこともお勧めです。

ウイルスが根絶されるまで、粘り強く治療することを心がけてください。

2010年05月20日

尖圭コンジローマは再発するの?(その1)

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先日、30代の既婚女性から尖圭コンジローマに関する電話相談を受けました。

この女性は、今年の2月に婦人科を受診した際、外陰部のイボを「尖圭コンジローマ」と診断されたそうです。そして医師からの指示は、「ベセルナクリーム5%の塗布」による治療。
何回か塗っているうちに症状が改善され、お医者様に報告したところ、

『症状がなくなったなら、クリームの塗布はもう終了していいですよ』と言われました。

と彼女は状況説明をしてくれました。

私はこの話にちょっと疑問を覚えたので
「トータルで何回ぐらい塗られましたか?」と質問をしました。

するとこの女性はちょっと考えた後、
「多分4回ぐらいだと思います。」という答え。

「4回だけですか?それでは、もしかして今回のご相談は、尖圭コンジローマの再発に関することですか?」

と私が再度質問をすると、

彼女はびっくりしたように言いました。
「そうなんです!再発してしまったんです。なぜお分かりになったのですか?」

私が「再発したのでは」とピンと来たわけは、べセルナクリーム5%の塗布の回数にあります。

ベセルナクリーム5%は保険適用になっており、尖圭コンジローマに対する日本性感染症学会の第一選択の治療法です。

しかし、その使用はルールに従って行わないと、正しい効果が得られません。
塗布は1日1回、1週間に3回行い、最低でも2週間程度(8回塗布)続けることが必要です。

なぜなら、イボが消えても、まだしばらくはウィルスが体内に残った状態だからです。
尖圭コンジローマの治療は、目視でイボがまず無くなることが目標ですが、真の目標はイボの原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)を消失させることにあります。
そのためには薬を正しい使い方で塗布することが大切です。

そこで次回は、もう少し詳しくべセルナクリーム5%の効果と正しい使用法についてご説明しましょう。

2010年05月20日

外陰に3つイボができた、これってコンジローマなの?

【相談者】
34歳・女性・未婚
【相談】
外陰部にチョットしたイボのようなものが3つくらいできています。そんなに大きくはありません。特に痛みもありません。私は今まで性交経験がありません。それでも尖圭コンジローマになることはありますか。

【回答】
このイボは診察しなければ、何もわかりません。
でも、考えられるのは、外陰部にできる良性腫瘍です。
外陰部には場所によって皮脂腺、汗腺などがあります。
この腺に分泌物がつまって溜まっている状態かもしれません。
感染が起きなければ痛みはありません。

貴女は尖圭コンジローマを心配していますね。
貴女は性交経験がないのですから、尖圭コンジローマになることはありません。
でも乳幼児の尖圭コンジローマの報告もあります。
性的虐待や母親の無知・不注意から感染することもあるのです。
もし貴女がそうだとすれば感染経路がわかりませんね。
でもわからないことはたくさんあります。
また外陰部にできるイボは沢山あります。
ご心配でしょうから婦人科の受診をお勧めいたします。
専門医が診れば、貴女の悩みは即座に解決するでしょう。
お医者さんをうまく利用してください。
そのために専門医がいるのですよ。

2010年03月12日

過去に尖圭コンジローマがあった、普通分娩できるでしょうか?

【相談者】
30歳・女性・既婚・子供有
【内容】
平成20年4月に尖圭コンジローマになり、塗り薬で治療しました。その時、医師から菌はずっとカラダにあるからと言われました。最近、子供が欲しくなり、5年間飲んでいたピルもやめました。普通分娩で産んでも大丈夫でしょうか?ちなみに6歳の息子がおります。回答よろしくお願いいたします。


【回答】
平成20年に尖圭コンジローマになり、外用薬で治療なさったわけですね。
外用薬はおそらくベセルナクリーム5%でしょう。
現在、保険で治療できる外用薬は、ベセルナクリーム5%しかありません。

治療して見掛け上よくなってから6カ月以上経っていて再発が認められなければ、
尖圭コンジローマは治癒したと判断してよいでしょう。
ですから現在、尖圭コンジローマができていなければ、治癒と考えられますから普通分娩ができます。
もう一度、産婦人科を受診し、外陰部、膣壁、子宮頸部に尖圭コンジローマができていないことを確認いたしましょう。そうすれば、安心ですね。
そうして健康な赤ちゃんを授かりましょう。

【相談者からお礼のメール】
先生ありがとうございました。近いうちに病院に行って検査してきます。
早く赤ちゃん抱っこしたいな~

2010年03月12日

すっかり、コンジローマの被害者意識

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7月のある猛暑の日。
23歳のフリーターA子さんが私の診療所を受診してきました。


「先生、アソコにイボイボができました。痛くもかゆくもありませんが、気持ちが悪くて・・・」 という訴え。
さっそく診察をすると、A子さんの小陰唇と腟前庭に、形が乳頭状、鶏冠状で、
色調が灰白色から褐色、大きさが径1~5mm大のイボが、たくさんできていました。
幸いなことに、腟壁、子宮頸部、肛囲周囲にはイボはできていませんでした。


先生
「A子さん、この病気は尖圭コンジローマです。今、パートナーはいますか?」
A子さん
「え!?尖圭コンジローマ! 本当ですか・・・? 今の彼と付き合い始めて2ヵ月になります。
じゃあ、彼に病気をうつされたんですね。ひどいわぁ。頭にきちゃう!」と、急に怒りだしたA子さん。


「今の彼」という言い方が気になった私はさらに質問をしました。
先生
「つきあって2か月ですか・・・。では元カレとはいつ別れましたか?」
A子さん
「別れたのは、もう半年も前ですから関係ないですよね。移したのは今の彼に決まってます。」


ところが関係あるのです。
尖圭コンジローマは、病気がうつってから発病するまでの潜伏期間が、
約3週間~8ヵ月(平均3ヵ月)もあります。
潜伏期間が長いので、前のパートナーの状態も把握する必要があります。
A子さんの場合、もし前のパートナーに尖圭コンジローマが認められれば、
それが感染源として最も疑わしこととなります。
潜伏期間が長いため、このように誤解を招くケースもあります。


現在のパートナーが実は被害者であるのに、自分が加害者であることを知らずして、
あたかも自分が被害者であると思い込み、すっかり被害者意識で受診してくるA子さんのような場合もあるのです。

そこで、確認のため、A子さんから元カレに電話をしてもらいました。
やはり元カレは、A子さんと別れてから、尖圭コンジローマの治療を、某泌尿器科でやったことが判りました。感染源はモトカレだったのです。


その後、念のため、A子さんの現在の彼にも来てもらい、診察をしました。
幸いなことに、現在は発症していませんでした。
でもこれから約6ヵ月は経過観察することが重要になります。


A子さんは、今の彼の心に深い傷をつけたことを反省していることでしょう。

それではご機嫌よう。

2009年07月31日

尖圭コンジローマ治療は新時代に突入!

尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により生じるイボです。


人間の身体にできるイボの原因は殆どHPVです。
HPVは現在100種類以上の遺伝子型に分類されています。
その中で尖圭コンジローマの原因となるHPVは主に6型と11型で、
良性(低リスク)グループのHPVとされています。


それに比して16型・18型のHPVは悪性(高リスク)グループとされ
女性では子宮頸癌、男性では陰茎癌の原因となります。陰茎癌は稀ですが、子宮頸癌は若年者に増加しており世界的社会問題となっております。


その中で最近、尖圭コンジローマの治療薬として、米国3M社で見出されたイミキモド(イミダゾンキノリン誘導体)製剤、一般名:イミキモド(imiquimod)、化学名:4‐amino‐1‐(2‐methylpropyl)-1H‐imidazo[4,5‐C]quinolineが開発されました。
米国では1997年2月にFDAの承認を得て、世界では1998年9月から75カ国以上の国で使用されています。残念ながら、先進国では日本が最後でした。
持田製薬が臨床治験を終え、国内初の尖圭コンジローマ外用療法剤ベセルナクリーム5%を販売いたしました。
2007年12月10日より使用開始され保険適応が承認されています。


【使用方法】
尖圭コンジローマに1日1回、週3回、就寝前に塗布します。
起床後に塗布した薬剤を石鹸を用い、水or温水で洗い流します。
塗布後6~10時間を目安に洗い流します。


【適応】
外性器と肛門周囲の尖圭コンジローマに対し、優れた臨床効果を発揮する外用剤です。
この薬は、インターフェロン等のサイトカイン産生促進によるウイルス増殖抑制作用及び細胞性免疫応答の賦活化によるウイルス感染細胞障害作用を示し、患者本来のウイルス感染防御機構を介して尖圭コンジローマを消失させると考えられております。


【副作用】
国内臨床試験で本剤を使用した64例中、53例(82.8%)に認められています。
塗布部位反応の皮膚障害
紅斑(54.7%)、
びらん(34.4%)
表皮剥離(32.8%)
浮腫(17.2%)
および疼痛(28.1%)


ここでベセルナクリームだけでなく尖圭コンジローマの治療方法のついて
勉強いたしましょう。


【尖圭コンジローマの治療方法】
外科療法と薬物療法があります。
1.外科療法
  a.外科的切除
b.電気焼灼 
c.凍結療法(液体窒素) 
d.レーザー蒸散法(CO2LASER)
2.薬物療法
a.20%ポドフィリンアルコール
  b.10%ポドフィリン安息香チンキ
  c.5‐フルオロウラシル(5‐FU)軟膏
  d.ブレオマイシン(BLM)軟膏
  e.imiquimod(ベセルナクリーム5%)
f.podofilox(Condylox,0.5%液)
  g.cidofovir(Vistide,1%cream)
  h.インターフェロン
  I.内服:ヨクイニン、シメチジン等


以上のように尖圭コンジローマの治療法は色々ありますがそれぞれ一長一短です。
病変部位、大きさ、数、性状、再発傾向、治療歴などをふまえて、治療法を選択あるいは併用して行うのがよろしいかと思います。
ただ免疫調節剤イミキモドクリームの登場により尖圭コンジローマの治療は新時代に入っております。

2008年10月21日

尖圭コンジローマはオチンチン(性器)のインベーダー!

『先生!オチンチンにイボができちゃった!痛くもかゆくもないんだけど!』
と言って来院してきました。
23歳のサラリーマン男性でした。
診断すると、ペニスの亀頭と包皮に鶏のトサカ状のイボがいくつかできていて、 尖圭(せんけい)コンジローマでした。

尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によりできるイボの一種です。
人間の身体にできる“すべてのイボ”の原因はHPVです。
そのHPVは現在100種類近くが確認されています。
その中でも、尖圭コンジローマの原因となるのは主にHPV6型と11型で、 感染すると潜伏期間(数週間から8カ月)を経てイボができてきます。
潜伏期間が長いので、セックスパートナーが多い方は、誰から移されたのか分からないこともあります。

イボは性器およびその周辺にでき、 男性では亀頭、包皮、陰嚢、外尿道口および肛門周辺に好くできます。 女性では腟の入口、小陰唇、子宮腟部、および肛門周囲に好くできます。
イボは先の尖った乳頭状で独特の形をしており、鶏のトサカ状、カリフラワー状などといわれています。

尖圭コンジローマ自体は良性の腫瘍で、まれに自然に治ってしまうこともありますが、多くの場合、増殖していきます。
もしHPV16型、18型に感染すると癌(女性では子宮頸癌・男性では陰茎癌)になる恐れがありますが、 痛くもかゆくもないので、放置されることが多く、 また恥ずかしさから専門医を受診する機会を逃し、かなりイボが増えたり、大きくなってから受診するケースもあります。

ウイルスは賢いので、あまり症状を出さずに、おとなしくしかし、着実に侵略してきます。
気がついたらオチンチンが乗っ取られているかも…!!
尖圭コンジローマはまさにオチンチン(性器)のインベーダーともいえましょう!

ただし、イボができてもコンジローマとは限りません。
真珠様小丘疹(しんじゅようしょうきゅうしん)といって 男性では亀頭の冠状溝・女性では腟前庭から小陰唇にかけて左右対称にできる 乳頭状のイボで生理的変化で生じるものや、 フォアダイス状態(粘膜下の脂腺が透けて黄色に見えるイボ)などのイボもあります。
これらのイボを医師がコンジローマと誤診してしまうケースもあります。
心配な方は産婦人科や、泌尿器科、性感染症科などでチェックされることをお勧めします。

治療法は電気メス、レーザーメス、液体窒素(凍結)、抗癌剤の軟膏など色々ありますが それぞれ一長一短ですので、私たちはこれらの治療法を組み合わせて治療をしています。
少しでも心配な方や、気になる方は早く専門医を受診して安心を手に入れましょう。

2007年05月18日

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