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南北閣僚級会談が実現 韓国統一相「懸案話した」

2009年8月22日13時27分

写真ソウル市内のホテルで22日、金養建・朝鮮労働党統一戦線部長(右)を迎える玄仁澤・韓国統一相=AP

写真ソウル市内のホテルで22日、玄仁澤・韓国統一相(左)と握手する金養建・朝鮮労働党統一戦線部長=AP

 【ソウル=牧野愛博】死去した金大中(キム・デジュン)元韓国大統領を追悼するために訪韓中の北朝鮮弔問団は22日午前、ソウル市内のホテルで韓国の玄仁澤(ヒョン・インテク)統一相と会談した。08年2月に発足した李明博(イ・ミョンバク)政権下では、初の閣僚級会談。弔問団は会談に引き続き、李大統領との面会に向けて韓国側と折衝している模様だ。

 北朝鮮側からは対南工作などを担当する朝鮮労働党統一戦線部を統括する金養建(キム・ヤンゴン)同部長ら2人が会談に出席した。弔問団長の金己男(キム・ギナム)党書記は欠席した。

 玄統一相は会談前、記者団に「私が南北関係を担当する主務閣僚。私が会うこと自体がメッセージになる」と語り、関係改善に向けた意欲を示した。会談後には「南北関係の様々な懸案について話した」と述べた。金氏は会談冒頭で「北南関係は早期に改善されなければならない。虚心坦懐(きょしんたんかい)に話したい」と語った。

 金氏は国防委員会参事の肩書も持つ、金正日(キム・ジョンイル)総書記の側近。07年10月の第2回南北首脳会談に同席したほか、同年11月にソウルを訪れ、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領(当時)らと会談した。22日の会談では、南北関係改善に向けた金総書記の考えを韓国側に伝える考えを示した可能性がある。

 また、北朝鮮側は金剛山観光の早期再開など、北朝鮮が17日に韓国の現代グループと合意した5項目について、韓国政府の対応を探る目的も持っているとみられる。

 玄統一相は会談後、金正日総書記から李大統領に向けたメッセージが示されたかどうかについては「後ほど話す」と記者団に語り、否定しなかった。同氏によれば、22日午後2時までとされた北朝鮮側の訪韓日程が1〜2時間延長される見通しだ。北朝鮮側と李大統領との面会を探っている模様だ。

 このほか、韓国政府は会談で、北朝鮮が今月に行った一連の南北関係改善措置について真意や思惑を探った模様だ。10月の実現を目指す南北離散家族の再会事業の実現も促したとみられる。李大統領が15日の演説で紹介した、北朝鮮が核放棄に向けた措置を取るなら大規模な経済支援を行うとした政策の詳細についても説明した模様だ。

 北朝鮮は南北関係改善に前向きな措置を取る一方、同国メディアは李明博政権の批判を続けている。南北首脳会談合意の無条件履行を迫る北朝鮮に対して、韓国側は国連制裁措置などと歩調を合わせ、人道支援を中心に進めたい考えだ。

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