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那須野投手に契約金5億3千万円、と横浜が明らかに

2007年04月11日20時17分

 プロ野球の横浜は11日、那須野巧投手(24)が04年秋のドラフトで日本大学から入団する際に、プロ野球界で申し合わせている契約金の最高標準額(1億円プラス出来高5000万円)を大幅に上回る5億3000万円を支払っていたことを明らかにした。

写真那須野巧投手(横浜)

 横浜市内の球団事務所で、取材に応じた佐々木邦昭球団社長は「申し合わせをはるかに超える金額を支払ったことについて、現在は遺憾に思っている」と語った。04年12月にかわした契約では5回にわたって現金が支払われ、今年1月に全額の支払いが完了したという。

 一方で、「(栄養費や学費などの名目で選手へひそかに渡していた)裏金とは範疇(はんちゅう)を異にすると考えている」と説明し、あくまでも守らなかったのは球界の申し合わせ事項ということを強調した。

 支払いは、那須野投手の口座に振り込まれたという。税務上の処理について同社長は「適正に処理されていると聞いている。使途不明金はない」と言った。

 球団が那須野投手と入団の契約を交わしたのは04年12月。この年は明治大4年だった一場靖弘投手(現楽天)への不正な利益供与が発覚し、10月には横浜の砂原幸雄オーナーが引責辞任したばかりだった。

 05年6月にプロ野球実行委員会で採択された「倫理行動宣言」後の新人選手の契約については、佐々木社長は「申し合わせの上限(1億5000万円)を超えて支払った事実はない」とした。宣言前の契約金額や利益供与の有無については「(過去5年間の)調査はしているが、西武の調査委員会の最終報告を受けたうえで、12球団で話し合いをすると聞いている。その方針に従っていきたい」と話すにとどまった。当時のスカウト関係者や那須野投手の処分は考えていないという。

 那須野投手は04年の全日本大学野球選手権準優勝投手で、同年の世界大学選手権や日米大学野球の日本代表に選ばれた。大型左腕としてプロ各球団や大リーグからも注目を浴び、この年秋のドラフトの自由獲得枠として横浜に入団した。今季は中継ぎ登板で1勝を挙げ、通算成績は5勝10敗。

 契約金の最高標準額を上回った選手については、すでに西武が15人いたことを明らかにしている。

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