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ミュージカルなどでもフル回転、橋本じゅんに聞く

2012年4月25日

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写真:「シレンとラギ」に出演している橋本じゅん=撮影・岩村美佳拡大「シレンとラギ」に出演している橋本じゅん=撮影・岩村美佳

 劇団☆新感線の劇団員で、劇団公演以外のミュージカルやシェイクスピア作品などでも大活躍の橋本じゅん。4月24日から大阪公演が始まった劇団☆新感線の壮大な時代劇「シレンとラギ」に出演している橋本に、舞台に関わるようになったきっかけ、劇団と劇団以外の活動、そして「シレンとラギ」について、話を聞いた。(フリーライター・岩村美佳)

 舞台にハマったきっかけは、実はバンド活動だったという。「音楽は、さらさらアカンと思った」が、劇場が気持ちのいい空間だと発見したのがきっかけで、舞台に関係することを何かしたいと思ったそうだ。大阪芸術大学の舞台芸術学科に進み、劇団☆新感線に出会う。「新聞で新感線のことは知っていたんですが、大学が運営する文化部のひとつだと思っていたんですよ。だから1〜4年までで、4年生になったら卒業してOBになるんだなと。卒業したら普通に就職するつもりでした」という。「入ってみたら怒られに稽古場に行っているのかというくらいの毎日…。くやしくて、怒られない劇団員になることが目標になって、舞台へ埋没していきました」と劇団一色の大学生活だったと明かす。

 劇団☆新感線が東京での人気を拡大していった時も、橋本は長く関西にとどまった。「芝居が終わったら、すぐに神戸にもどって釣りをしていた」という。「のんきだったんです」と笑うが、「でも、あの時代に釣りをせずに、東京の素晴らしい人たちとやっていたら、もしかしたら俺はへこんで、ネガティブな考えを持っていたかもしれないと思う」と振り返る。今でも「たまたま新感線という人気のある劇団にいるので『あの、いっぱいお客さんの入る新感線の…』と言われているだけではないかと思います」と謙虚だ。

 プロフィールで「劇団になくてはならない存在」と称されることをどう思うかと尋ねると、「誰が書いてくれているんだろう」と笑う。「いのうえさん(いのうえひでのり)も僕への演出は以前からの新感線メソッドを使われることが多くて、僕も『はい! はい!』と答えちゃうんですよ。主従関係は変わらないなと(笑)。時間を経ても共通言語は変わらない、新しかったり懐かしかったり思ってくれているのかなと思います。『なくてはならない』というか、昔からの新感線チックな芝居を保存というか担当し続けていく役割なんだと思います」と話す。

 近年、ミュージカル「ファニー・ガール」「ピーターパン」、蜷川幸雄演出シェイクスピア作品「アントニーとクレオパトラ」、連続テレビドラマ「恋愛ニート〜忘れた恋のはじめ方〜」「ハングリー!」など様々な作品に出演している。橋本は「刺激的でどんどんやりたい」と意欲的。蜷川の稽古場では即興要素に溢れていて面白く、芝居を始めたころを思い出す懐かしさもあったという。「いのうえさんの元でやってきたからこそ外の現場で出来るというのがあるんです。でも学生の演劇を始めたころに戻れるのが楽しかったりもします」という。

 4月24日に大阪で開幕した劇団☆新感線の「シレンとラギ」の舞台は、北と南に分かれて敵対する2つの王国があった遠い昔。北の王国の警備につくラギ(藤原竜也)の前に、シレン(永作博美)が現れる。シレンは南の独裁者・ゴダイ大師(高橋克実)を毒殺した「伝説の暗殺者」だ。シレンへの憧れと好意を臆することなく口にするラギ。そして重要な情報がもたらされる。「ゴダイが生きていた」…。今回の作品では、舞台やテレビで活躍する藤原、永作、高橋のほか、古田新太をはじめとする一癖も二癖もある劇団☆新感線の劇団員が勢揃い。楠木正成をモデルにした武闘派、ダイナンを演じる橋本は「ダイナンは、武骨で熱くて一途です」と説明した。

 橋本は「劇団☆新感線の舞台は、3Dアニメのようなエンターテインメントの世界。ストーリーやテーマに深いものもありますが、テーマパークに近い体験・体感型の舞台です。見たことがない人は、一度来て、池に突っ込んで、びちょびちょになって下さい。」と話した。

【インタビュー全動画はこちら】

◆「シレンとラギ」
《大阪公演》2012年4月24日(火)〜5月14日(月) 梅田芸術劇場メインホール
《東京公演》2012年5月24日(木)〜7月2日(月) 青山劇場⇒詳しくは、ミュージカル「シレンとラギ」公式サイトへ http://www.shiren-to-ragi.com/index.html

(関連リンク:劇団☆新感線オフィシャルサイト)http://www.vi-shinkansen.co.jp/

(関連リンク:橋本じゅん福音書)http://hasimotojun.jugem.jp/

《筆者プロフィール》岩村美佳 フリーフォトグラファー、フリーライター。舞台関係、ファッションなどを中心に撮影してきた経験をいかし、ライターとしても活動している。「目に浮かぶ言葉」を伝えていきたい。


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