朝日新聞デジタル：大館市の課題（上） - 秋田 - 地域

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統一地方選２０１９

大館市の課題（上）

解体作業が進む旧正札竹村本館棟＝大館市

◆中心部寂れ　再開発立ち消え　ビル跡の更地　活用手探り

　地方都市の中心部のシャッター通り化は、人口７万人余の大館市も例外ではない。メインストリートのおおまちハチ公通りは、日中でも人影がまばらだ。大町商店街振興組合に加盟する店舗数は、盛時の６割まで減った。経営者の高齢化による廃業も目立つ。

　ここで今、かつてのランドマークだった９階建てビルの解体作業が進む。最盛期は多くの客を集めた老舗百貨店「正札竹村」の本館棟だ。２００１年の倒産後、外壁崩落の危険があるなどとして市が年、本館や新館の建物と土地を２５９０万円で買い取った。

　前回４年前の市長選後、市は解体方針を一転させ、建物を活用する方針に切り替えた。だが、多額の修復費がかかることから断念、解体にかじを戻した。

　解体作業が終わると、約８００平方メートルの更地が出現する。市は民間の投資を視野に入れるが、明確な青写真は示されていない。

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　跡地の活用について２年ほど前、大町商店街振興組合に民間業者から相談があった。跡地を含めた一区画を再開発する構想だったが、土地買収に伴う営業補償や収益性の壁があり、立ち消えになったという。

　組合は更地になる来春以降、市に貸してもらえないかと非公式に打診している。山城久和理事長（５８）は「（商店街再生には）消費者が集まる仕組みが必要。簡単な屋根をかけて野菜の直売やフリーマーケットなどをやりたい人に貸し出したい。高齢者と幼児が交流できる施設でもいい。活用について市と一緒に取り組みたい」と話す。

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　市中心部の空洞化は「買い物難民」も生んでいる。２年前、地区唯一のスーパーが閉店した。高齢者が歩いて気軽に買い物ができる貴重な店だった。

　一人暮らしの女性（８４）は、閉店するまでほぼ毎日、この店で食料品などを買い求めた。地区外の各スーパーまではいずれも１キロ前後の距離があり、歩くにはつらい。今は週１回、市内に住む息子の車で地区外まで買い出しに行く。

　「以前はスーパーで知人と毎日のように会えた。正札竹村の跡地は、生鮮食品が買えて気軽にランチが楽しめるような場所になってほしい」と願う。

　まち再生の核となる中心部にできる更地をどう活用するのか。多くの市民の関心が集まっている。　（加賀谷直人）

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　２１日の大館市長選、同市議選の投開票を前に、市が直面する課題を探った。

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