▲島らっきょうの塩漬け(上)
▲調理前の島らっきょう。土つきで売られています(左下)シャッキリおいしい島らっきょうの天ぷら(右下)
本土で「らっきょう」といえば、コロッとした丸みのある形ですが、沖縄ではこのエシャロットのような「島らっきょう」が、食卓にのぼります。食べ方も独特で、本土では漬物以外の調理法はあまり目にしませんが、島らっきょうは塩漬けや天ぷら、炒め物など多様。沖縄家庭では実に馴染み深い野菜の一つなのです。もっともポピュラーな塩漬けは、島らっきょうのシャキシャキとした歯ざわりと鼻にツンとくる辛味が活かされ、お酒と好相性。そのためか、沖縄の居酒屋では、おつまみの定番にもなっているとか。作り方はいたって簡単で、よく洗って薄皮をむき、適量の塩でもんで1~2日冷蔵庫で寝かすだけ。上から鰹節をかけていただくのが沖縄流です。千切りにすると辛味が少し和らぎ、食べ易くなります。
市場では、青い茎がついて売られていることもありますが、捨てることなかれ! 天ぷらにすると、身の部分以上においしく、お酒のおつまみにぴったり。そして、天ぷらも塩でいただきます。島らっきょうには「塩」が欠かせないのです。
島らっきょうの塩漬けの豆知識
沖縄県民は脳卒中や心臓病の疾病が、全国でもっとも少ないといわれています。その要因のひとつに考えられるのが「島らっきょう」の常食。島らっきょうには、「アデノシン」という物質が多く含まれていて、これは血が固まるのを防ぐ効果があるといわれます。また、ニンニクなどにも含まれているにおい成分のひとつ「アリシン」は、疲労回復に役立つビタミンB1の吸収を助け、解毒酵素の働きを促す作用があるといわれています。島らっきょうは、現代人にとって実に頼もしい食材なのです。
とはいえ、ニンニク同様、一度食べるとなかなかニオイが消えないのが難点。食べすぎにはご注意を。