ザ・スロットル、自らレッテルを剥がした第2フェーズの“NEW侍ロックンロール”(後編)

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the_throttle2_1ザ・スロットル、自らレッテルを剥がした
第2フェーズの“NEW侍ロックンロール”(後編)

L→R
成田 アリサ(Dr)
飯笹 博貴(Machine)
高岩 遼(Vo)
菊池 藍(Ba)
熊田 州吾(Gt)

 

NEW侍ロックンロールを標榜する5人組、ザ・スロットル。変化を多数迎えた彼らの現在位置を探るべく、インタヴュー前編では路上ライヴのファイナルを迎えたときの心境、新メンバーである2名の加入とアルバム『A』の制作背景など、バンドの活動経緯をさらった。インタヴュー後編では『A』という作品性にフォーカスを当てる。大胆な音楽性の変化、その背景にある精神性とは? 変化を求め続ける彼らの思想を裏付ける発言が続々と飛び出した。

取材・文 沖 さやこ
撮影 nishinaga “saicho” isao(website

 

※インタヴュー前編はこちらから
ザ・スロットル、自らレッテルを剥がした第2フェーズの“NEW侍ロックンロール”(前編)

 

◆新しいものが作りたいという気持ちがみんなにあった

高岩 遼(Vo)

高岩 遼(Vo)

――“A”は意味ありげなタイトルなのかな?とも思いましたが。

高岩 遼(Vo) 始まりの文句だし、answerのAだし……ぐらいのノリですね。むしろ思想をあまり感じさせないものにしたかったんですよ(笑)。記号的で無機質なものを表現したくてジャケットもこうしたし、だからCDの帯も作らなかった。そこに「ざまあみろ!」みたいな、ザ・スロットルの思想が出ていると思いますね。

――根本は変わっていない、けれどレッテル剥がしのために表現方法を変えた、という感じでしょうか。音作りの面でも印象的なフレーズが増えていると思いました。M6【Horror】は淡々としたところからじょじょに広がりを見せる、バンドにとっても新機軸の曲では。

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成田 アリサ(Dr)

成田 アリサ(Dr) この曲を作る前から10月に「Horror」というイヴェントを開催することを決めていたので、「“Horror”というタイトルの曲を作ってみない?」と話したことが始まりでした。それで藍が「俺持ってくる!」と言ってくれて。

菊池 藍(Ba) もともとはザ・スロットルらしい曲を作ろうと思って、コードだけをスタジオに持っていきました。でも「テーマとかあまり考えなくていいよ」と言われたので、(Michael Jacksonの)【Thriller】のテイストを入れています。そこにみんなの“新しいものを作ろう”という考えや、それぞれがもともと持っているエッセンスが入っていって――みんな引き出しが多いので、いろんなアイディアが出てくるんですよ。展開が多くて1回飽和状態になって、「1回シンプルにしよう」と言ってまた組み直して……という作業のなかで出来上がっていきました。シンセ・ベースのエフェクターを使うのは、急に提案されて。

高岩 シンセベースにしたらイケてるかなーと思って。藍はもともとウッドベースを弾いていたミュージシャンだから、ブリブリのベースを弾いたらどんな音になるのかな?と思ったし、もっとブギーな感じになるんじゃない?くらいの発想ですね。というわけで藍にはシンセベースエフェクターを買ってもらいました(笑)。

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L→R 菊池 藍(Ba)、飯笹 博貴(Machine)

菊池 そういうのは多かったですね。「この機材の音が必要だから次までに買え」って(笑)。

飯笹 博貴(Machine) そうそう。藍と僕は新人なんで、それに対して「はい!」って(笑)。「新しいテイストが欲しいからちょっとメロディ作ってみてよ」と言われたので、【Horror】のメロディは一部分だけ僕が作っています。僕はオーケストラ/クラシック畑出身なのもあって、結構メロディアスなものが好きなので、遼からも「俺はこんなメロディ書かないわ」と言ってもらいましたね。みんなの色がたくさん入った曲になったと思います。

――いままでにない作り方ですね

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熊田 州吾(Gt)

熊田 州吾(Gt) そうですね。実はこの曲、最初は歌詞もメンバーみんなで作ってみようとしたんです。「○日の○時に、一斉にグループLINEに歌詞を上げよう」と決めておいたら、藍と博貴だけがアップしてくれて(笑)。それまでふたりとも歌詞なんて書いたことないから音に言葉が全然はまってないし、博貴なんて「哀しき魂の叫び」とか書いてて……こんな歌詞どこで使うの!?って(笑)。それを遼が歌ってるところを想像したら面白くてしょうがなくて。

飯笹 恥ずかしいからやめて!(笑)

高岩 さすがにダサすぎたので却下でしたね(笑)。

飯笹 (笑)。新しいものが作りたいという気持ちがみんなにあったから、そのなかには無茶振りもあって、それによって生まれたものもあって。カオスなアルバムなんじゃないかな。

菊池 もうジャンルはしっちゃかめっちゃかだよね(笑)。

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リスナーや関係者の間でも物議を醸す問題作『A』
そこにはザ・スロットルの揺るぎない信念があった

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