D.C.4年5月18日、風呂場の弟が私を呼ぶので行ってみたらアシダカグモです。
「こんなに立派なのは久しぶりだからさ」と。なるほど確かに久しぶりなサイズです。
アシダカグモ姿
明るいとすぐ逃げてしまうのですが、このときはずいぶんおとなしくしてくれました。

 アシダカグモは徘徊性のクモで、巣は張りません。糸は普通見えませんが、おしりから1本出しながら歩いています。立ち止まった時におしりを壁にぺっぺとくっつけて糸を固定させますが、糸にぶらさがることはしません。
 大型なので不気味がられるけれど、無毒でおとなしいクモです。タランチュラって飼ってみたいなあとあこがれていたんです。でも脱走の危機管理は片手間にはできないじゃないですか。で、アシダカグモなら逃げちゃっても問題ないし、お手軽だなあと思っていたんです。なのでこの機会に飼うことにしました。

食餌
 これはコオロギを食べさせたところ。
 獲物を糸で巻く仕草をしたりしますが形式だけです。クモの口はむしゃむしゃ食べる口ではありません。体液を吸う口でもありません。牙から消化液を獲物に注入し、溶かしながらすすって食べてるんです。このコオロギの食べかすは、原形を残さず正露丸くらいに丸められていました。
 アシダカグモは普段はゴキブリを食べていますが、カエルや小さなネズミも食べるのが確認されています。

腹側
 人を咬むことは普通まずないのですが、ちょーっと慌てて無理に掴んだときに指を咬まれました。ぷつ、と一瞬刺さって、さすがにこの大きさだとちょっと血が出ました; 牙はしまってあって見えませんが、蛇のように鋭いです。食事のあとは触肢できれいに掃除します。なんだかつまようじでしーしーしているみたいです(笑) 食べかすでも付いたのか、触肢をぺぺぺぺぺっ!と振っているのも見ました。

卵嚢つき
 5月30日に産卵しました。腹部が小さくなっているのが分かりますね。卵は卵嚢(らんのう)という包みにくるんで、孵るまでこうして抱えて歩きます。その間一ヶ月ぐらいエサを食べません。時期になると壁に貼り付けて手離します。
 子グモは卵嚢の中で孵ったあと、1回脱皮してから外に出てきます。これを出廬(しゅつろ)といいます。これは6月29日に出廬しました。

 7月19日にまた卵を産み、それは8月4日に出廬しました。

子グモ3
 その後、彼女は8月9日に逃走してしまいました。足、速いんだよね…(涙) そりゃゴキブリ捕まえるんだから速いわな( ̄▽ ̄; (帰ってきた(?)みたいなんですが、父が発見したので叩き殺されてしまいました。)今(8月25日現在)は子グモを5匹飼っています。(うち一匹は別種のクモでした; どこでまじったんだ〜(汗))右は8月16日に脱皮をした、6月生まれの子グモです。脚が1本とれていたのですが、この脱皮で生えました。1本だけ細くて模様がないでしょ。

 アシダカグモは飼育下で9年間生きた記録があります。さて、この先どこまでいけるでしょうか。

9月4日、3回目の脱皮をしているところ。
脱皮

4回脱皮をした子グモ。
(D.C.5年1月5日現在、逃げられたり死んだりしてこいつともう一匹だけになってしまいました。)
子グモ4
子グモ5
1月12日に5回目の脱皮をしました。
そろそろ名前つけてやろうかな。

子グモ6
 4月14日に6回目の脱皮をしました。でも未だに名無し。

 6月21日に7回目の脱皮をしました。
 子グモ7

 8月4日に8回目の脱皮をしました。
 いつもエサはコオロギを与えていますが、ちょうど飼っていた黒蚕を間引きも兼ねて食べさせました。

子グモ8子グモ8
 イモムシは無抵抗で安全なエサですが、栄養価はあんましよろしくないそうです。なんかでもビタミンありそうだよね(笑)

 この10月にこいつの名前を決めました。バルボッサといいます。(他のは名無し)

 12月13日に9回目の脱皮をしました。
 アップの画像ばかりなので実感できないと思いますが、ほんとにまあ大きくなりました! 生まれたときはほんとツメの先に乗せるくらいだったのに…。
子グモ9
 小さいと思って油断していたら、もうすっかり足が速くなっていたんですね…。1匹うっかり逃げられました_| ̄|○ が、戻ってきました\(^0^)/  いや〜〜〜逃がした時のがっくり感たらもうなかったですよ。だって親に逃げられてるでしょ、もう二度と同じ過ちは・・・と肝に銘じていたのに、の出来事ですからね。せめてもの救いはまあ2匹のうち逃げたのは補欠のほうだったということだったんですが、なんとこいつが脱走しているあいだに別のアシダカグモを捕獲したのですよ! 大きさが同じだったのでてっきり逃げたヤツだと思いこんでいたんですが、どうやら野生で生きていた兄弟グモだったようです。

 現在は都合3匹飼っております。