ユスラウメ

和  名 : ゆすらうめ (桜桃:山桜桃)
英  名 : Chinese bush fruit, Nanking cherry
学  名 : Prunus tomentosa
別  名 : コリアンチェリー
別  名 : チャイニーズブッシュチェリー
科  名 : バラ科
属  名 : サクラ属
種  類 : 落葉低木
花  期 : 春(実期:夏)
原産地 : 中国
撮影日:2008年03月23日
撮影場所:横浜市鶴見区・馬場花木園
樹高1〜4mの落葉低木です。

日本には江戸時代の初期に渡来しました。

樹皮は暗褐色で、薄片になって不規則に剥がれます。

樹形は株立ちで、枝は拡張して、密に繁ります。

葉は長さ5〜7cmの倒卵形で、先は短く尖り、縁には細かい鋸歯があり、表面は短毛があって皺になり、裏面と葉柄には縮れた毛が密生し、互生します。

葉より先、または新葉と同時に葉腋に短い花柄を出し、一重咲きのウメ(Prunus mume)に似た直径2〜3cmで白色または淡紅色の5弁花を木全体に咲かせます。

花弁は倒卵形で5枚、雄しべは20〜25本で花弁より短く、雌しべは1本です。

果実は直径10〜12mmの核果で、真っ赤に熟し、柄のないサクランボのようで、生食または果実酒にします。

和名は、朝鮮名の移徙楽(イサラ)が転訛し、ウメに似た花を咲かせることに由来します。

また、「枝をゆさぶって果実を落とした」ことから「ユスラ」となったという説もあります。

明治時代に、セイヨウミザクラ(Prunus avium)、いわゆるサクランボが渡来し、混同を防ぐため「ユスラウメ」と呼ばれるようになったといわれます。

ウメと名がついていますが、果実はサクランボのようで、スモモの仲間です。

現在では「サクラ」を意味する漢字「櫻」は、元々は本種を指す字でした。本種の果実が実っている様子を首飾りを付けた女性に見立てて出来た字です。

果実の種子を洗い、乾燥したものを生薬で、毛桜桃(もうおうとう)といい、アミグダリン(amygdalin)を含み、緩下,利尿,肩こり,手足のむくみなどに薬効があります。

似た仲間にニワウメ(Prunus japonica)があります。特に果実やその付き方はそっくりですが、ニワウメは葉面が無毛で、本種の若い枝や葉は柔毛で覆われているので区別がつきます。

作家・太宰治(1909-1948)の命日を「桜桃忌」といいますが、これは「桜桃(おうとう)」で、サクランボの別名です。

中国では果樹として古くから栽培されていて、桜桃と称しています。

属名の「Prunus」は、ラテン語の「prunum(スモモ)」が語源です。

種小名の「tomentosa」は、「密に細かな綿毛のある」という意味です。
撮影日:2015年03月20日
撮影場所:東京都大田区萩中
撮影日:2015年03月28日
撮影場所:横浜市鶴見区・馬場花木園
撮影日:2013年03月16日
撮影場所:横浜市鶴見区・馬場花木園
撮影日:2012年04月04日
撮影場所:東京都大田区南蒲田
撮影日:2010年04月03日
撮影場所:東京都文京区・
東大小石川植物園
撮影日:2008年03月23日
撮影場所:横浜市鶴見区・馬場花木園
撮影日:2012年06月08日
撮影場所:東京都墨田区・向島百花園
撮影日:2007年05月27日
撮影場所:横浜市鶴見区・馬場花木園
撮影日:2011年06月15日
撮影場所:東京都墨田区・向島百花園

Last Update : 17/05/26
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