ナツトウダイ

和  名 : なつとうだい(夏燈台,夏灯台)
英  名 : なし
学  名 : Euphorbia sieboldiana
別  名 : なし
科  名 : トウダイグサ科
属  名 : トウダイグサ属
種  類 : 多年草
花  期 : 春
原産地 : 日本,中国,朝鮮半島
撮影日:2009年03月28日
撮影場所:東京都文京区・
東大小石川植物園
山地の林の中や丘陵地に生育する草丈20〜40cmの多年草です。

茎は地下茎から直立し、上部の断面は三角形で紅紫色を帯びます。

茎を折ると白乳汁を出し皮膚に触れると炎症を起こします。

葉は長さ2〜6cm、幅1〜2cmの長楕円形で先端は丸く鋸歯はなく柔らかで、まばらに互生します。

茎先では、4〜5枚の葉が輪生状につき、傘を逆さにしたように5本の枝が輪生し、その先に1〜2個の杯状花序をつけます。

杯状花序には、長さ1〜4cm、幅1〜2.5cmで、ほぼ三角形の総苞葉が1対つきます。

杯状花序は雌しべが1本の雌花1個と、雄しべが1本だけの雄花数個で構成され、花弁も萼片もありません。

中央に緑色の雌しべの子房(熟すると実になる)があり、子房の下に外側に広がる茶色の三日月形の腺体(蜜を分泌する)が4個あります。腺体の両端は針のように尖ります。

雌花は広円形の子房を下垂し、先に3個の花柱があり、柱頭は2岐しています。

開花中の腺体は緑色ですが、開花後は黄色〜赤褐色となります。

果実は直径3oほどの球形の平滑な朔果で、種子は長さ3mmほどの広卵形で平滑です。

仲間に、トウダイグサ(Euphorbia helioscopia),タカトウダイ(Euphorbia pekinensis)などがあります。

有毒植物であり、薬草としても用いられます。

根を漢方の甘遂(かんすい)あるいは狼毒(ろうどく)にあて、利尿薬として用いられます。

和名は、直立する茎と輪生葉を、神仏に供える燈火を乗せる燈台に見立てたものです。

では、春に咲くのに何故「ナツトウダイ」かというと、トウダイグサの仲間で最初に咲くので「初トウダイ」といわれ、それが転訛したといわれています。

属名の「Euphorbia」は、ヌミディア(Numidia:現在のアルジェリアにほぼ相当する地域の古代ローマ時代の呼称)王ユバ2世(Juba II)に仕えたギリシャ人医師エウポルボス (Euphorbus:52 B.C.-23 A.D.) に由来します。エウポルボスは、白角麒麟(Euphorbia resinifera)などの乳液を初めて薬に使いました。

種小名の「sieboldiana」は、ドイツ人の医師・博物学者で、日本植物の研究者だったPhilipp Franz Balthasar von Siebold(1796-1866)に関連したという意味です。
撮影日:2008年05月18日
撮影場所:横浜市緑区・四季の森公園
撮影日:2006年06月04日
撮影場所:横浜市緑区・四季の森公園
撮影日:2009年03月28日
撮影場所:東京都文京区・
東大小石川植物園
撮影日:2006年04月09日
撮影場所:横浜市緑区・四季の森公園
撮影日:2005年06月05日
撮影場所:横浜市緑区・四季の森公園
撮影日:2007年06月17日
撮影場所:横浜市緑区・四季の森公園
撮影日:2011年05月16日
撮影場所:鎌倉市山ノ内
撮影日:2008年05月18日
撮影場所:横浜市緑区・四季の森公園
撮影日:2006年06月04日
撮影場所:横浜市緑区・四季の森公園

Last Update : 16/11/24
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