魚の謎が分かる!

おさかなのお話

イカの吸盤とタコの吸盤は同じつくりか

魚の知識,魚の疑問,

イカやタコの腕には、どちらもびっしりと吸盤が付いている。
一見すると、両者の吸盤は、大きさだけが違うだけに思えるが、
ほかに何か違いはあるのだろうか?

 

いちばん大きな違いは、両者の吸盤の構造にある。
例えば、死んだタコの吸盤に指を近づけてもくっつくないが、イカの場合は、死んだイカの吸盤でも、指を近づけると吸いつかれてしまう。
これは、イカの吸盤には、かたい歯の生えたリングがあるから。イカの吸盤は、柄のついたコップ形をしており、その内側に角質リングと呼ばれるザラザラが付いている。だから、筋肉を動かさなくても、吸盤で物をひっかけることができる。
一方タコは、筋肉の動きで吸盤の中を真空にし、ものを吸い寄せているので、死んでしまうと、吸盤を動かせなくなって、ものを吸い付けられなくなる。同じ吸盤でも、タコとイカでは、その構造が大きく違うのである。

 

では、なぜイカの吸盤だけに、ザラザラとした角質リングがついているのだろうか?
それは、泳ぎながら獲物を捕らえるイカが、獲物を逃がす確率を少しでも低くするため、
イカは、2本の長めの腕を隠しながら泳ぎ、一瞬にして狙った獲物に腕を伸ばして捕らえる。
素早く捕らえるためには、吸盤に歯がついた角質リングが必要なのだ。

 

なお、イカのゲソ(頭と腕)を調理するさいには、
この吸盤の部分を念入りに洗うといい。
角質リングを取り除いておかないと、ザラザラとした食感が残り、
口当たりが悪くなってしまう。


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