ノゲシ / オニノゲシ (( キク科 )

ノゲシ は、全国の道端などに普通に見られる2年草で、史前帰化植物とみられています。 葉がケシに似ているとして 「 野芥子 」 の名があり、農地では害草とされます。 茎は中空で直立し、高さ50~100cmになります。
葉は互生、表面は艶のない白緑色で、葉縁には不揃いな鋸歯があります。 下部の茎葉は、長い葉柄があって羽状に深裂します。 上部の葉は切れ込みが少なく、無柄で基部は深く切れ込んで茎を抱きます。
ケシ P.somniferum (左)ノゲシ (右)
春から秋にかけて、花径2cmほどの舌状花の黄色い頭花をつけます。 種子 ( 痩果 ) は褐色の扁平な紡錘型で、白色の冠毛がつきます。 全体にオニノゲシに似ていますが、光沢ある葉と鋸歯のトゲの様子で区別できます。 アキノノゲシに対して、ハルノノゲシ の別名があります。 周囲の舌状花が白色のものは ウスジロノゲシ f.lilacina と呼ばれます。

属名:Sonchus 、キク科のいくつかを指すギリシャ古名から。
種小名:oleraceus 、食用蔬菜の 、畑に栽培の という意味。
 食用蔬菜の : 食用とするには、ゆでた後で冷水に浸すアク抜きが必要とされる。
ノゲシ Sonchus oleraceus 撮影・青梅市
ウスジロノゲシ (上) 冠毛 (下)

ノゲシに良く似る オニノゲシ は、ヨーロッパ原産の帰化植物です。 茎は中空で、草丈は1~2mとノゲシより大きくなり、やはり農地では害草となります。
葉の表面は明るい緑色で光沢があり、葉縁の不規則な鋸歯は先がトゲ状になります。 下部の茎葉は、羽状に切れ込みがあります。 上部では切れ込みが少なくなり、基部は耳状になって茎を抱きます。 ノゲシでは後方に三角状に突き出るところが違います。
初夏から秋にかけて、ノゲシに似た黄色の舌状花の頭花をつけます。 花柄や総苞には腺毛があります。 痩果は長さ2~3mmほどの扁平な紡錘型で、褐色、縦方向に筋があります。 果実にくちばし状の突起はなく、冠毛は痩果の先端部に直接つきます。

種小名:asper 、ざらざらした の意味。

2008.-2013.-2020.10.19.Re
オニノゲシ Sonchus asper 撮影・西東京市
オニノゲシ の果実と葉の基部 (左と中央) / ノゲシ の葉の基部 (右)

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