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ミゾイチゴツナギ
学名:

植物単子葉植物綱イネ目イネ科

Nag00424 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31

解説

[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用]
スズメノカタビラに似ているけれども、それよりずっと大きな植物が、春から初夏にかけて目立ってきます。その多くはミゾイチゴツナギという、スズメノカタビラに近縁な多年生草本です。
 大きさが違うだけでなく、スズメノカタビラが1年生で、他の植物が眠っている冬を積極的に利用する生活をしているのに対して、寒い冬は地下で過ごし、前年までに蓄えた栄養で、春に素早く生長して地上の体を作る生活をする植物で、何年かかけて徐々に大きな体を作ったり、溜めた栄養でたくさんの果実を作ったりできる植物です。もちろん栄養の蓄積が多いほど、大きな体を作ることができ、光の当たるところに素早く葉を広げて、より多くの栄養をつくることができるのです。ただし、この生活は、スズメノカタビラの生えているところのように、毎年掘り返されるようだと成り立ちません。大事な地下茎が壊されてしまうからです。
 壊されるのが地上部分だけなら、残った地下器官から新しい体を作りなおして、種子から出発するよりも素早く生産体制を再構築することができます。この時、イネ科やカヤツリグサ科の植物に多い、地表すれすれに新しい葉をつくるなめの組織がある植物は、茎の先にそのような組織のあるヨモギやイノコズチのような植物に比べても、早く体を作りなおすことができます。博物館の庭では、草刈りをまめに行って、草が茂らないように管理していますから、植物たちはみな地上の組織を頻繁に壊されるという、困った状況に置かれています。けれどもそれだからこそ、日向の好きな植物の生きる場所が確保されているとも言えるのです。
 二元がこの世に現れる以前には、大型の草食動物が食べることで地上部分が壊され、その中で植物は生き残った地下や地表から素早く再生するという生き方を身につけたのでしょう。

フォトデータ一覧

ミゾイチゴツナギ

(内野秀重 , 2006.4.17)




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