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鳥取県西部、米子市との合併求める住民投票も

2003/06/13

 依然として、鳥取県西部では米子市を中心として合併問題が収まらない。当初、米子市が目論んでいた特例市構想は、境港市が単独宣言したため、他の自治体も米子市との合併を白紙に戻すなどで頓挫してしまった(詳しくは、ちぢに乱れる合併への思惑、米子周辺の記事参照)。

 現在までの鳥取県西部の状況をまとめると、設置されている法定協は4つ。
・大山町、名和町、中山町の西伯郡東部地域合併協議会(1月1日)
・西伯町・会見町合併協議会(1月14日)
・米子市・淀江町合併協議会(4月1日)
・岸本町・溝口町合併協議会(4月1日)
 日野町と江府町は6月13日に、合同の合併勉強会を開き、2町合併を最終確認する。法定協は7月に臨時会を開き、設置を議決する模様。両町は3月20日、日野町・江府町合併問題研究会を設置していた。

 合併せずに単独自立を宣言しているのは、先にも述べた境港市のほかに、日野町と江府町から奥日野3町合併を要請されていた日南町。同町では2月28日に、町長が「3町合併はメリットが見えない。米子市を含む広域合併を模索しながら、当面は現状維持」「過疎の町が一緒になっても財政の苦しさは同じ。苦労するなら単町で個性ある町づくりを」と単独自立を表明し、特別委は採決で町長方針を支持した。その後、町長は住民説明会を開き、「当面合併しないため人件費などを総合的に見直す」と自分の考えを示した。

 日吉津村はいまだに合併方針が固まっていない。3月18日の村議会で、米子市・淀江町合併協への参加議案を見送り、4月27日の村長選、村議選終了後に、合併方針を決めることとなった。新村長は、米子市・淀江町合併協への参加や住民アンケートの実施について、村民協議会での住民意見や周辺の合併状況について分析を行ってから検討すると述べている。

 このようにある程度は合併の枠組みなどもまとまってきているが、住民団体が自治体の意向とは一致していないところもある。

 単独自立を宣言した境港市議会では3月25日、「境港市の将来を考える会」が合併特例法の住民発議に基づいて直接請求した米子市との合併協設置案を否決。5月20日には、同団体が合併協設置の賛否を問う住民投票実施に必要な有権者の6分の1(5020人)を上回る6802人分の署名簿を市選管に提出。7月中に住民投票が行われる模様で、有効投票の過半数を賛成が占めれば、米子市との合併協が設置されることとなる。

 既に西伯町と法定協を設置している会見町議会でも3月26日、「米子市を合併対象市町村とする合併協議会設置請求の会」が合併特例法の住民発議に基づいて直接請求した米子市との合併協設置案を否決。5月20日には、同団体が有権者数の6分の1(562人)を上回る660人分の署名簿を町選管に提出。7月中に住民投票が行われる模様。
 この動きに対して6月5日、西伯町との2町合併推進を求める「会見町を愛する会」が発足。同町では、これで2つの住民団体が活動することとなった。(田中潤)