金 子 正 明(かねこ・まさあき)



 攻撃精神をモットーとし、王国を築いた“八田レスリング”。その八田一朗会長の教えに逆らい、守りを徹底的に重視し、五輪を含めて3度世界一に輝いたのがフリー・フェザー級の金子だ。バンタム級で64年東京五輪を狙っていたが、無念の涙。五輪後1階級アップすると、圧倒的な強さで全日本、アジア、世界を制していった。

 68年メキシコ五輪時、金子は28歳で妻子持ち。現在では珍しくないが、当時は家庭を持ったこの年齢まで競技を続ける例はあまりなく、すべてをかけての闘いだった。世界を2度も制していたが、五輪での金メダルは格別なようで、表彰台では大粒の涙にくれ、感激に浸っていた。

【生年月日、出身】1940年7月8日、

【所 属】専大〜自衛隊(メキシコ五輪時)

【全日本選手権成績】63年=2位(フリー・バンタム級)、65年=優勝、66年=優勝(以上フリー・フェザー級)

【五輪・世界選手権成績】66年=優勝、67年=優勝、68年メキシコ五輪=優勝(以上フリー・フェザー級)

 

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